58曲目 Aブロック
そしてAブロックのバトル・ロワイアルが始まった。
はっきりいって何処をどう見ていいか分からないのでハンスさんに聞いてみると、1人に対して8人で戦っている所があった。
「あれがSランク冒険者でランキング32位のヨットだ。短剣を使うが気をつけるのは蹴りだな」
「へぇー、そうなんですかぁ~」
そして私達は黙って見た。
★ ★ ★
「よー!あんたSランクのヨットさんだよな」
「だからどうした」
「わりぃーがここで退場してもらうぜ」
ヨットの回りを囲むように8人が一斉に攻撃する。
1人が遠距離から鎖鎌を投げると、それに合わせて槍使いが鎖鎌に合わせて同時に攻撃をした。
さすがに短剣では多数の武器を捌ききれないが、短剣で鎖鎌を巻きつけて鎖で槍を防御すると同時に槍使いに二連撃の蹴りを喰らわせた。
「どうした?もう1人やられたぞ」
「次は俺達だ」
「俺達3兄弟が一瞬で終わらせてやるよ!」
3人の武器はサーベル、少し細身の曲剣だった。
3人同時に襲いかかる。
変幻自在、ヨットは躱しながら確実に相手の武器を持つ手を蹴るとサーベルが宙に飛ぶ。
そのまま確実に1人ずつ短剣で倒そうとするともう1人が邪魔をする。
すると宙に飛ばされたサーベルはもう1人の男が受け取り、二刀流で攻撃をすると、武器の無い男が体術で攻撃する。
なかなか厄介な相手だった。
「所詮は一人、運が無かったなぁ~」
「確かに一対一なら俺達では勝てなかったが、これはバトル・ロワイアルだ」
「くっ!」
ヨットは未だにノーダメージだが体力は確実に削られている。
それを見ていた4人も一斉に襲いかかるとヨットはそれを利用した。
同士討ち
「おい!てめえら邪魔すんじゃねぇ~」
飛んできた鎖鎌で3兄弟の1人を、そして槍で攻撃してきた武器を奪い、槍使いと一緒にもう1人を蹴り飛ばす。
後の2人は剣を振り下ろして攻撃してくるが躱すと後ろに回り込み蹴り飛ばす。
これで4人が場外になり残りは3兄弟の内の2人と鎖鎌使いだけになった。
「てめえら、余計なことしやがって」
危なかった。
もしこのまま戦っていればヨットはいずれは負けていただろう。
「形勢逆転だな」
★ ★ ★
一方、ヨットとは別の場所では1人の女性が既に10人もの戦士を倒していた。
「ねえアカネちゃん、あの娘強くない」
「あっ、ホントだ。強いねあの娘」
「…もう1人いる」
「本当ですね。あの人の槍、変な動きしてますよ」
4人の話を聞いていたハンスは説明する。
「あの男はミラン、最近Sランクに上がった今売り出し中の冒険者だ。まだランキングには入っていないが注目度は高いな」
「ねぇねぇアカネちゃん、あの人勝手に会話に参加してルンですけど…」
「まあまあ、いいじゃないモモカ」
「なんかムカつくのよねぇ」
「じゃあハンスさん、あの娘は?」
「あれか、あの女は………わからん」
「ほらアカネちゃ~ん、使えないわよこの人」
すると戦いを見ていたワカバが珍しく話だした。
「…あの娘、剣のスピードが早い。…それに歩き方が特殊。…面白い」
気付くと残りは6人だけになっていた。
すると片手剣の女性が人数の多いヨットの方へ走りだした。
4人は戦闘中、回りには意識がいっていない。
「てめえ、なん、ぐわぁ」
「は、早い!」
あっという間に鎖鎌の男を倒すとそのまま残り2人を倒す。
「クソーーーッ!」
「俺達兄弟の攻撃が通用しねえ!」
「兄貴が入ればぁ~クソがぁ!」
2人のサーベルが宙に舞う。
観客が飛んだサーベルを見ている間に残りは3人になっていた。
ヨット、ミラン、そして彼女アダルの三つ巴になった。
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