56曲目 アカネ対ヒルダ
ヒルダはミラの戦いを見たせいか少しやる気を出したみたいで、あの大きな鉄扇を持って闘技場の中央に向かい歩き出した。
「いいわよアカネ。さぁ戦いましょう」
ヒルダは鉄扇を広げて地面に刺した。
「楽しそうね。やりましょう」
私はヒルダに近づくと、ヒルダは容赦無用で鉄扇を扇ぐとものすごい風が私を襲った。
私は両腕で風を防御するとその隙にヒルダは鉄扇を握り脇腹に向かって攻撃してきた。
とっさに刀を抜き防御するがそのまま吹き飛ばされた。
「った~~~い。ヒルダ容赦無いわねぇ~」
「アオイの強さを見たからね。アカネも強いんでしょ」
「私はアオイと違ってか弱い女の子よ」
私は一気に間合いを詰めて攻撃した。
しかしあの分厚い鉄扇で悉く防いでいく。
私はどんどんスピードを上げるとヒルダは耐えきれなくなり後ろに逃げる。
「甘いわねアカネ。相手を直ぐに立て直させるなんて、そのまま追いかけてトドメを指さないとね」
「なるほどね。まぁこれは練習だからね」
「行くわよぉ~。竜扇火」
風が火の威力を上げてアカネに襲いかかる。
あまりの火力でよく見えないが、気を付けるのはスピードが上がった鉄扇だった。
炎に気をとられて躱すタイミングが遅れた。
すると横の攻撃から縦の攻撃に変わる。
「竜扇斬」
何とか防ぐが同時にヒルダの蹴りをモロに喰らった。
「キャーーー、いった~い」
「本当にあんた達は戦い慣れしてないわねぇ」
「でもちょっとコツを掴んだわよ」
私はワカバの動きを参考にまっすぐ向かうのをやめるとヒルダは鉄扇を持ちながら目で私の動きを追う。
徐々に間合いを詰めると私は斬りかかる。
「そうよアカネ。少しはマシになったわよ」
「そう言いながらキツそうね」
「うっさい」
結果、前半は私が攻撃を喰らったが後半は最後ヒルダが疲れた所に一撃を入れて終わった。
「アタタタタ、アカネの攻撃力強すぎよぉ」
「普通の人間なら一撃で終わるわよ」
「でもヒルダ平気でしょ」
「ふん!」
そしてとても充実した練習になった。
アオイはミラに技を聞いていたみたいだけど、試合の後は無理をせず軽い練習で終わらせた。
「ヒルダも強いねぇ~」
「あんた達、本当に人間?あり得ないわよ竜人の私達と対等以上に戦えるなんて!」
「そうですね。しかも皆さん戦い慣れしていない所が更に驚きです」
「そうよ、姫様の言う通りよ!全てが私達よりも圧倒的に強いのよ。普通は逆よ」
「過去に何度か人間と戦いましたが技術で私といい戦いをした人がいた程度ですよ。あっ、もちろん試合でですが」
「って事は私達もっと強くなれるの?」
「もちろんですよ。経験を積むだけでもっと強くなります」
「まぁまぁみんな、帰ってご飯にしましょうよぉ。ミラも明日予選大会でしょ」
「ボク、お腹すいた」
「やったー!ご飯だご飯」
「もう、ヒルダははしたない。しかし明日の試合、余裕で勝てると思っていたのですが、ここ100年でここまで人が強くなっていたなんて、明日試合に勝てるかしら」
「平気よ!ミラなら優勝間違いなし!だから今日は美味しいご飯をたくさん食べて休みましょう」
「はい」
私達はハンナさんに声をかけてから家に帰った。
「さて、ご飯を作りますか」
「モモカ、今日は何を作るの?」
「ミラが明日勝てるようにカツ丼よ」
「いいわねぇ~」
「「カツ丼?」」
「ミラとヒルダは少し休んでいてね」
「ありがとうございます」
「ワカバちゃんはお米研いで」
「…了解」
「キノちゃんはお味噌汁ね」
「ほいほーい」
「私はテーブル拭いてくるね」
「ありがとうアカネちゃん」
「私も何か手伝いますよモモカさん」
モモカ特製のカツ丼が出来ると運動したせいかお腹もめちゃ減っていたので早速食べた。
「モモカ、これがカツ丼ですか?」
「そうよ」
「カツ丼めちゃうめぇ~~~」
ヒルダはキノと一緒にカツ丼を掻き込んだ。
「「カツ丼おかわりぃ」」
いくらお腹が減っていたとはいえ、キノとヒルダは3杯もおかわりした。
ご飯を食べ終わると私はお茶を入れて寛いだ。
「明日は応援に行くからね」
「ありがとうございます」
「今日は早めに寝ましょうか」
「というか、キノとヒルダさんはもう横になってますが」
「もうヒルダったら」
「キノもよ」
「…眠い」
「ワカバも眠いって言ってるし、寝ましょうか」
そして明日に備えて早めに休む事にした。
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