55曲目 ワカバ対ミラ
家に戻りシオンのいない淋しさにみんなが落ち込んでいると、ミラとヒルダが帰ってきた。
「モモカぁ~~~、ご飯」
「こら!すいません」
「「いいわよぉ、もうそんな時間?」
私達が戻ってきて気がつくと外は真っ暗になっていた。
モモカはヒルダの希望の肉料理、夕飯はステーキとなった。
ソースはシンプルににんにく醤油、これがミラとヒルダに大人気!明日も夜はステーキにしてほしいと言われてた。
そしてシオンのいない初めての夜、みんな哀しそうだったがミラとヒルダのお陰で気持ちも切り替える事が少し出来た。
翌朝、私達は朝食を食べた後にギルドにいった。
実はハンナさんに頼んで地下闘技場で必殺技の練習をする為に行くことになっていた。
その話をしたらミラさんも明日の予選大会に備えて一緒に行きたいと言い出した。
どうやらアオイと手合わせをしたいみたい!それに比べてヒルダはご飯に夢中、何かシオンを見ているみたいだった。
そして私達はギルドに着いた。
「おはようございます。ハンナさんいますかぁ?」
「おはようございます。少々お待ち下さい」
しばらく待っているとギルド長と一緒にハンナさんが来てくれた。
「皆さん、今日はどんなご用ですか?」
「大会に向けて少し練習をしたいのですが、地下の闘技場を貸してほしいのですが平気ですか?」
「もちろんです。私達がお願いして大会に出てもらうんですから、それぐらいは協力させて下さい」
「おいおいハンナ、決めるのは俺の仕事だろう」
ギルド長の言葉を無視するかのように淡々と話を進めてくれた。
なぜかワカバが慰めている。
「…モーリッツ、ガンバ!」
「ところでそちらの方もご一緒ですか?」
「はい、ミラとヒルダです。ミラは明日の予選大会に出るので一緒に練習をするんですけど、ダメですか?」
「それは問題ありませんが、ギルドカードの確認だけさせていただきます」
そしてミラとヒルダのギルドカードを確認すると、ハンナさんは地下の闘技場に案内してくれた。
「それでは終わりましたら声をかけて下さい」
「ありがとうございます」
私達は必殺技の練習?研究に入った。
アオイは氣の使い方を調べるのにどうするとHPが減るのか、そして威力はどれだけ上がるのかを調べている。
キノは単純に新しい魔法、オリジナル魔法を作ろうとしている。
漫画やゲームと違い、魔法の種類は少ないみたい。
ワカバはスピードを活かした戦い方の練習をしている。
暗殺のスキルと錬金術では武術大会には向いていないので体術も組み入れようとしているみたい。
モモカはMPを押さえる為に必要以上の武器をクリエイトしないようにイメージトレーニングをしている。
確かにほとんどのMPを使ってあんな破壊力のある攻撃は、下手をしたら国を滅ぼすわ。
私は使用武器の申請をしてしまったので必殺技は使えないし、まだ他の武器は出来上がっていないので素振りをするしかないな。
みんなが個別に練習していたらワカバとミラが練習試合を始めた。
面白そうなのでみんなは練習を中断して試合を見ることなった。
「…ミラ、どっからでも来い」
「ではいきます!」
ミラの戦い方はアオイに似ていた。
ワカバもそれを見て練習相手にしたんだろう。
「はぁーーーっ、はあぁぁぁ!」
ミラの拳が光とものすごく速い突きがワカバを襲った。
ワカバは一歩も動かない。
みんなが危ないって思った時、ミラの拳はすりぬけていく。
「…フッ、それは残像」
拳がすりぬけるとワカバの残像は少し揺れて消えていった。
「面白い!面白いですよワカバ」
今度は全身が光り出すとミラのスピードが倍近く変わる。
しかしワカバはそのスピードさえも躱している。
たぶんワカバだから出来る芸当だろう。
「…今度は私の番」
ワカバが2人に見える。
だが必殺技ではない。
それでもミラは全てを受け流している。
そしてミラの動きが徐々にワカバについていっている。
そして遂にワカバを捉えた!
「ようやく防御しましたね」
「…悔しい、次は捕まらない」
たぶん暗殺のスキル、ワカバの歩法が変わると気配と同時にワカバが消えた。
見ていたみんなが驚いた。
しかしまだ慣れていないせいか、ミラに攻撃をしようとした時に気配と姿が見える。
ミラもギリギリ防御すると、腕を取りワカバ投げ倒した。
「はい、ミラの1本!」
「…悔しい、負けた」
「そんなこと無いですよ。私が戦い慣れしていただけで、強さはワカバの方が上です。悔しいですが、このまま戦えば私が負けていたでしょう」
たった3分の攻防だったが、内容は凄かった。
それを見て私もヒルダに練習試合を頼んだ。
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