48曲目 アカネとワカバ
あたし達がアオイちゃん達と合流すると、早速ブラックドラゴンを倒した人を探している女二人がいる事を伝える。
「少しおかしいわ。ねぇリーナ、私達はアオイちゃん達がドラゴンを倒した事を伏せていた筈だから広まる筈が無いと思うんだけど、どう思う?」
「ドラゴンを倒した事を知っているのは私達の他にはあの時いた冒険者のみ。ただ伏せているといっても所詮は冒険者、どっかでポロって言っている可能はあるわよ」
「おい、レーナもリーナも肝心な事を忘れているぞ。最近は規制がかかっていたせいで他の町に行くのにBランク以上の護衛が必要だから、他の町に広まることがありえないんだよ」
「僕もルークさんと同じ意見です。それにユニコーンやケルベロスが話したりはしないと思いますしね」
「そうね、時間があればある程度は調べられるけど…」
「とりあえず、ギルドに戻りましょう」
「そうよ、どうせギルド内では何もしてこないわよ」
「ごめんね。ボクが言っちゃったから」
「キノは気にしなくていいですよ。隠していたって、いずれはバレる事ですし、別に隠す必要の無い事です。それに名を出したのは私の名前だけですよね。だったら私が解決します」
「いいのアオイちゃん?何かあったらあたしとキノちゃんも手伝うよ」
「俺達だっているのを忘れんなよ」
そして彼女達が向かったギルドに戻る事になった。
★ ★ ★
一方その頃アカネはシオンとお茶をしていた。
「アカネ、もうお菓子無いんだけど…」
「モモカもキノもいないから買えないわよ」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「当たり前でしょ!あんな便利な能力は普通無いわよ」
「ううううう、ちょっと待ってて」
「?」
急に目を閉じるとシオンは動かなくなった。
えっ?シオン大丈夫かしら。
もう2分ぐらい経つけど…
「ねぇ、シオン」
するといきなり目を開ける。
「はい、オッケー。アカネ、チーズケーキ買ってみて」
「えっ?出来ないわよ」
「 いいからいいから、ねっ」
私はシオンの言う通りにいつもモモカやキノがやっているようにすると、ウィンドウが現れネットショッピングが出来るようになった。
「スゴーーーーーイ!本当に買える」
私は買える楽しさに、シオンに言われるがまま買いまくった。
我に返るとシオンのおやつを2万円分買ってしまった。
「思わず買いすぎたわ」
「フッフッフッ」
「でもどうやったの?」
「アオイデーに頼んだのよ」
「アオイデー?」
「あんた達をここに送った女神よ」
「あぁ、でもどうやって頼んだのよぉ」
「私とアオイデーはねぇ、リンクしてるんだよ。だから私も女神みたいなもんなのよ。祈りなさい」
「へぇー、それは良いこと聞いたわ」
私は思わずニヤッと笑ってしまった。
だって、何かあったら女神に頼めるって事でしょ!
何かシオンは悟ったらしく、急に余計な事は何も言わなくなった。
「さ、さっアカネも食べて食べて!」
「じゃあいただきます」
そしてみんなが帰って来るまで久しぶりにたくさんケーキを食べた。
★ ★ ★
その頃ワカバは
「…そこ違う」
「ヘイ!」
「…そこも」
「ヘイ!」
どんどん江戸の町並みっぽくなっていく。
どうやらワカバは今回のイメージは江戸らしい。
もちろんこの異世界では珍しい造りで関係ない町の人々が見物に来ている。
「姉さん、どうですか?」
「…そこはこう」
「姉さん、こっちもおねげぇーします」
どうやら親方の所のみんなには姉さんと呼ばれているワカバだった。
「師匠、どうだいこいつらは」
「…まだまだあまい」
「師匠のお陰でこいつらも大分腕が上がったぜ」
「…後は任せた。…もう帰る」
「また来てくれ!待ってるぜ師匠」
レベルもクオリティも3倍ぐらい上がり、弟子一人一人が他の大工の親方レベルになっていた。
しかしワカバに教わっているだけあって、自分達はまだまだとみんなが一生懸命勉強していた。
「…バイバイ」
最近では毎日ワカバは顔を出している。
時間はほんの少しだが、それでもみんなに慕われているワカバだった。
ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!
ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。
これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。




