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42曲目 スリッパ

 あたしはアカネちゃんとワカバちゃんが親方の所に行った後、執事達に色々と説明をした。

 接客は苦手なのでアオイちゃんに任せようと思ったけど、マダム達に囲まれていて身動きが出来ないみたい。

 キノちゃんはちゃっかりシオンの所に逃げたしぃ~、参っちゃうわ。


「とりあえず何が知りたいんですかぁ?」


「先日のパーティーで使用した物を全て教えて頂けたら幸いです」


「私は履物を脱ぐ事について教えて頂きたいです」


「私はお食事を」


「私はシャンプーとやらを」


「私はマッサージについて」


 あまりの質問の多さに訳がわかんないわ!

 もう!日本の生活を教えればいいのかしら?

 アカネちゃんがいれば…


「わかったわ!まず玄関ね」


 あたしはとりあえず靴を脱ぐ習慣から教えた。

 それには玄関を作り、シューズクローゼットに使わない靴を片付ける事、そして室内ではスリッパを履いて歩く、もしくは素足で歩く事を教えた。


「モモカ様、靴やスリッパというものはどのくらい種類があるのでしょうか?」


「たくさんあるわよ。それこそ数えきれないほどにあるわ」


 あたしは自分の靴を見せる。

 みんなに比べて靴や小物、それに服もたくさん持っている。

 それを見たみんなが不思議そうに見ていた。


「私、このような履物を初めて見ます」


「私もです」


 みんなが初めて見ると言うので、ひとつひとつ説明が面倒臭くなり、執事達に靴を買ってあげた。

 もちろんみんな違うタイプの靴をね。


 あたしはみんなの足のサイズを測るとスリッパを全員に買って履いてもらった。


「さぁ!履いて」


「ほう、これがスリッパですか。なるほど」


「とてと足が楽ですな」


「旦那様も奥様もこれを望んでいるのですね」


「それ、みんなにあげるわ」


「「「頂いて宜しいのですか!」」」


「ありがとうございます」


 そして今度はスニーカーやブーツ、サンダルや下駄、そして革靴等を多数出して履いてもらった。

 すると全員が履き心地を確かめると意外とスニーカーに人気が集まった。

 靴底がゴムっていうのも初めて見る素材らしく次いでに安いTシャツとジャージも買い、みんなに着てもらった。


「あの、モモカ様」


「なぁに?」


「これは何と言うお召し物ですか?」


「それはねぇ~、ジャージよ」


「「「「「ジャージ?」」」」」


「ええ、便利よ。私達はレッスンで使う時もあれば、部屋着にもなるし、場合によっては寝巻きにもなるのよ」


「レッスンとは?」


「簡単に言えば運動よ。運動」


「運動?」


「そっ!体を鍛える事よ。どう?着心地は」


「はい、とても動きやすいです」


「でしょ!それにスニーカーを履いて外を軽く走って見てよ」


 なぜか執事達はみんな一斉に外に出て走り始めた。

 あまりに面白い光景であたしは少し笑ってしまい、アオイちゃんとマダム達も不思議そうに見ていた。

 ちょっと悪いと思い、Tシャツとジャージと、それにスニーカーもプレゼントしちゃった。


 そして今度はお風呂、脱衣場とシャンプーやトリートメント、それにボディーシャンプーを見せる。


 続いて食堂、テーブル席に和室、どうやら和室が目的みたいなのでみんなに座ってもらいお茶を出した。


「ほう、これは初めて見る茶葉ですな」


 お茶や湯飲み、座布団に畳、全てに興味を持って、まるで外人さんみたい。

 そしてあたしはお箸と使い方を教えた。


 何か隣ではテーブルでマダム達にケーキと紅茶を出しているアオイちゃんがいる。


「アオイちゃん、ガンバ!」


「モモカ様、何か仰いましたか?」


「何で無いわ」


 すると執事達は全員で話し合いを始めて、テオドールさんとセバスチャンさんが代表で質問をしてきた。


「モモカ様、先程頂きましたスリッパはどこで手に入れられるのでしょうか?そしておいくらでしょうか?」


「そうねぇ~、仕入れはあたしかキノちゃんに言えば買えるかなぁ。金額はピンキリよ。例えばプレゼントしたそのスリッパは安物で銅貨3枚」


「こんなに素晴らしい物がたったの銅貨3枚!」


「まあ大体銀貨1枚あればそこそこ良いものが買えるわよ」


「そんなに安く!」


「あくまでも仕入れ値よ」


「私は倍以上出しますので優先的に仕入れて下さい」


「ちょっと待って頂きたい!私は更に出します」


「こっちもです」


「いや、是非私に」


 あらやだ!これって儲け話かしら


 その言葉に執事達はたくさんある筈の聞きたい事よりもスリッパの購入の件で話し合いに熱くなっていた。

 結局アカネが帰ってくる間、スリッパの話だけで終わった。


「後日代金をお持ちしますので、男性用30足と女性用50足、そして一番高級なスリッパ男性用3足と女性用2足をお願いします」


「色は?」


「私共が使う安いスリッパは同じ色で、一番高級なスリッパは全部色を変えて頂きたいです。後はモモカ様にお任せします」


 そんな感じの交渉が全員からされて、結局スリッパを1000足近く買う事になった。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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