35曲目 地下試験場
私は地下の試験場にモモカちゃんとキノちゃんを連れていくのに成功した。
秘書のハンナさんが試験場を開けてくれたので助かったわ。
私達は試験場に着くと、まずはモモカちゃんの魔力弾を見る事にした。
妹のリーナは私の隣にいる。
たぶん私と同じ事を考えているのだろう。
私とリーナ、それにモモカちゃんとキノちゃん以外は外の観客席で見ている。
「じゃあモモカちゃん、試しに普通に撃ってみて」
モモカが普通に撃つとわかってた事だが、私達はその破壊力に普通に驚いた。
「次は他の魔法を纏わせる感じでやってみてくれる」
モモカは頭でイメージして撃ってみた。
すると凄い威力の魔力弾が壁を突き抜けた。
「…超電磁砲」
ワカバが呟いた言葉にみんなが反応する。
「ちょっ、ちょっとモモカちゃん?」
「なぁに?」
「今、何を纏わせたのかなぁ?」
「雷よ」
「あのぉ、それだけでも高等魔法なんですけど…それも一発で成功って…」
本当にありえないわ。
リーナも目が開いたまま硬直してるし、本当に何者なの?
「ま、まぁこれでモモカちゃんは魔術大会に問題なく出れるわね」
モモカは何事も無く観客席に戻っていった。
「続いてキノちゃん」
「ほいほーい」
「今度は私達に魔法を教えて」
「いいけど………どうやって?」
「まず無詠唱で魔法を使えないと勝てないわ。私達で初級魔法を何とか出来る位なの。だからどうやってあれだけの魔法を詠唱破棄で撃てるのか、それを教えてほしいわ」
「って言われても~~~………あっ!イメージだよ」
「イメージって何?」
「イメージはイメージ!えっとねぇ~頭で何をどうやって出したいか浮かべるんだよ。例えば~」
キノちゃんは私達の前でファイアボールを両手に出した。
その大きさはとても大きくて、Sランクの魔術師が詠唱してもそこまでは大きくならない。
「ね!」
「「え、えぇぇぇ!」」
「まったくもってわからないわ」
「じゃあ目瞑ってみて」
私も妹も目を瞑った。
「今度はボクが出したファイアを自分が出す想像してみて」
私はキノちゃんが出したファイアボールを想像した。
目を瞑りながらキノちゃんが出した時の仕草を真似してみたら、ほんのりと手の平が熱くなった。
「キャー!」
リーナの声で思わず目を開けて隣を見てみると、リーナの手の平には拳大のファイアボールが2つ浮かんでいた。
「リーナ!あなた補助系の魔法しか使えないのに、何でファイアボールが両手に出ているのよ」
「私もビックリよ!だって攻撃系のお姉ちゃんの無詠唱のファイアボールと同じ位の大きさが出たわよ。しかも2つも」
「わ、私2つも魔法出せないわよ!」
長年、攻撃魔法ばかりを勉強してきた私が、たった1つコツを教わっただけで…
確かに妹のリーナは私と同等の魔力量だし、違いといえば私が先にファイアボールが出せた時にリーナは補助系の魔法ばかり練習するようになった。
だからいつも2人でやってこれたのに…
ヤバい!
私が要らなくなる!
焦っていた。
あれ?さっきは手の平が熱くなったの…
全く出る気がしない。
「お姉ちゃん」
ん?何か聞こえる。
「お姉ちゃん」
我に返ったレーアが隣を見ると、心配そうに姉を呼ぶリーナの姿があった。
「あ、リーナ」
「お姉ちゃん大丈夫?」
「なんで?」
「凄い険しい顔していたわよ」
「大丈夫よ」
「あのねお姉ちゃん。私が出来たっ事はお姉ちゃんはもっと出来るわ。落ち着いてキノちゃんがどうやったか想像してみて」
少し落ち着いた私は、もう一度冷静に目を閉じてキノちゃんと同じ様に立ち、想像してみた。
熱い!
どんどん熱くなっていく。
キノちゃんの姿が私と被ってきた。
熱い…
「お姉ちゃん!」
熱い…とても熱い…
「お姉ちゃん!!」
私はリーナの声で目を開けると、両手にはリーナが出した倍近いファイアボールが出来上がっていた。
「お姉ちゃん凄い!」
「これ、私が?」
「そうよ!」
嬉しい!
「「キノちゃん!ありがとう」」
「お礼される様な事してないけど?」
「したわよ!した!!」
「ねぇ、もうちょっと魔法教えてくれる?」
「いいよぉ」
私達3人は魔法の練習を始めたので、アカネちゃん達はキノちゃんを残して家に帰った。
詳しい詳細は後でハンナさんがする事なっているみたいで、ハンナさんも試験場の鍵を私達に預けて仕事に戻った。
この日を境にレーアとリーナは急激に魔法が上達して1年後にはSランク冒険者になるのであった。
ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!
ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。
これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。




