26曲目 少女救出
男は門の外を出ようとしている。
「おい、お前達」
「へい」
「こんなに夜遅く外に出るのは危険だから早く中に戻りなさい」
「すんませんが、ちょっとこの娘達が失くした物があると言うので少しだけ探させて下せい」
門番は私達をチラッと見た。
「しょうがない。最近魔獣が出ているというから、早めに戻りなさい」
「わかりやした」
男は腰を低くして頭を下げ、そして門の外に出た。
私達は門番に会釈をして大人しく男についていくと、今度は私達に前を歩かせた。
やがて門番の目の届かない所まで歩くと、急に男は喋り出す。
「しかし…ふふ、たまんねぇなぁ~。少しぐらい先に楽しませてもらってもバチはあたらねぇだろう」
「きゃっ!」
男は後ろからモモカのお尻を触るとニヤニヤしながら私達の身体を見る。
「何すんのよ!」
「おいおい、そんな顔すんじゃねぇよ。別に俺はいいんだぜぇ、ガキがどうなろうとよぉ」
「クズが!」
アオイがキレ始めた。
「あんたのボコってから私達だけて行っても問題無いわよねぇ」
アオイは男の手首を強く握る。
「イテテテテ!なんだその馬鹿力は!!」
「素直に案内しないならあなたをこの場で…」
「わぁーた、わぁーたよ!たくっ、冗談の通じねぇ女だぜ」
それから少し歩くと20人ぐらいの男達が待ち構えていた。
そして真ん中には戦斧を持った結構な歳の体格のいい男に女性が一人、後は少女を人質に取っている男がいる。
周りの男達は私達が着くと同時に円になり、逃げられないように囲んだ。
「初めまして、ワシのシマを荒らしてくれた小娘よ。よく来てくれたのう」
「そんな挨拶は要らないわ。早く女の子を離しなさい」
「黙ってろガキが!今ボスが話してんだろうが!!」
隣で人質をとっている男が叫んだ。
「まぁいい。ワシャ~優しいからのう。要件は一つじゃ。ワシにあがりの6割渡すか、それとも…」
「旦那!それじゃあ約束が」
「うるせぇー、女は黙ってろい」
「くっ!」
「ワシも鬼ではねぇ。即金で入る大金よりも定期的に入る金の方がいいんじゃ。でどうじゃ小娘よ?」
「笑わせないでくれる。私達からは一つ、女の子を解放して大人しく投降しなさい。じゃないと痛い目にあうわよ」
周りの男達は一斉に笑い出した。
「面白い事を言う小娘じゃわい」
ボスが合図すると隣の男が少女に刃物を当てる。
「立場がわかってないようじゃのう」
「それはこっちのセリフよ」
その時、キノがバレないように魔法を出していた。
こっそり伸びた影が男を縛る。
「な、なんだぁ!体が動かねぇ~」
すぐに逃げないように少女を捕まえようとした時、既にワカバが助けていた。
「お前!」
「…フフ、影分身の術」
見るとアカネ達と一緒にいた筈のワカバは残像で消えていく。
「お前ら、小娘達を逃がすんじゃねぇ!」
その一声で周りの男達は襲いかかった。
しかし闇魔法シャドウバイントは既に数名の動きを封じていて、ワカバは少女と安全な所に移動していた。
そして襲いかかってきた男達はアカネとアオイに一瞬でやられて、隠れていた男達は弓で狙おうとしていたが、モモカの魔力弾で全員撃たれた。
「やるじゃねぇか、小娘」
戦斧を振り回すとゆっくりとアカネの前まで歩いてきた。
「ワシャ腐っても元Bランク冒険者じゃ。Cランクの小娘5人なんて朝飯前じゃ」
振り下ろした戦斧をアカネは左手で掴んで止めた。
「なんじゃ!びくとも動かん」
「終わりよ」
アカネの刀が男を吹き飛ばした。
それをみた娼婦は逃げようとするが、アオイに捕まり気絶させられた。
「お姉ちゃん達、助けてくれてありがとう」
「大丈夫?ごめんね、私達のせいで」
少女は泣くこともなく笑顔で応えてくれた。
そして私達は門番に事情を説明して男達を引き渡し、少女を両親の所へ送り届けた。
後日、組織は1日で壊滅してアルテミスは一気に名が広まった。
余談だが、門番に引き渡す前にモモカのお尻を触った男はモモカの銃で撃たれまくり、それを見て声を上げた男達も銃で撃たれまくった。
組織の一員達はモモカに恐怖をうえられてから牢に入っていった。
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