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25曲目 逆恨み

 日も暮れてアベルが家に訪れてきた。


「お待たせしましたアカネさん、打ち合わせの方をお願いします」


「はい、お願いします」


 私はアベルさんの話を聞いた。

 内容は


 今日から4日間連続で歌の仕事をして3日間休み、とりあえずはこれを4週間する契約となる。

 4日間の間で8店舗を周り、今日、初日と明日はアベルさんの契約した4店舗、明後日と明明後日はマッテオさんが契約した4店舗、当日は契約者と一緒にお店を巡る事になった。


「何か問題はありませんか?」


「そうですねぇ…翌月からはどうなさるおつもりですか?」


「はっきり言いましょう。アカネさんも予想されていると思いますが、確実に依頼が増えてきます。依頼料も上がりますし、日数が増えるか、1日にこなす店の数が増えると思います。私としてはこのまま仲立に入りたいのですが、マッテオさんもいますし、アカネさん次第となりますので、私はこのまま二週間は様子を見てからまた3人で話し合いをしたいと思います」


「そうですね。妥当な考えと思いますよ」


「私だけでなくマッテオさんも思っていると思いますが、是非アカネさんがどのように商売をしてきたかも出来たらお聞きしたいと思います。その時はまたよろしくお願いします」


「わかりました。それでは今日のステージの場所と時間を教えて下さい」


「ステージ?」


「簡単に言うと歌の歌う場所と時間ですね。今後は用語も教えていきたいと思いますので覚えて下さいね」


「わかりました」


 今日、明日の場所と時間を聞いて、私達は準備をしてアベルさんとお店に向かった。


 私達はお店に入り店主に挨拶をした後に辺りを見渡すと、どこから情報を仕入れたのか、既にお店にはたくさんの人が集まり、ステージが始まる時には人が店の外まで溢れていた。


 そして2件目にはお店の外で聞いていた人が先回りしている人や初めから2件目で待っていた人で溢れている。

 そして初日は大成功!

 私達だけでなく、アベルさんに店主、見に来てくれたお客さんもみんなが喜んでくれた。


 そして翌日、翌々日と4日間連続で成功に終わる。

 もちろん日が経つに連れて評判を聞いた人達でどんどん人はふえていった。


 翌週に入り3日目、私達の人気のせいで恨みを買う事になった。


   ★   ★   ★


「お兄さん、あたいと遊ばない」


「お前ら娼婦に使う金なんてねぇよ!」


「なんだい!ったく急に態度が変わりやがって」


 路地裏では何人かの娼婦が話していた。

 他の国に比べてこの町の治安はとてもいいが、もちろん娼婦もいれば裏組織もある。

 他と比べれは大したレベルではない小さな組織だが、平和な町にも悪人はいる。

 収入源は基本娼婦からの売上の一部やカツアゲがメインになる。

 他の国みたいに人身売買や麻薬の売買等は難しい。

 それも他よりも警備体制が整っている証拠でもある。


「おいおいどうした」


「旦那ぁ~、実は最近あたいらの縄張りでお茶目してくれているガキのせいで仕事になんないのさぁ」


「そいつは困ったなぁ、ワシらにも銭が入らんでねぇか」


「旦那の力でなんとか出来ない?」


「その女達の噂は聞いている。あれで一応冒険者らしい」


「あんなガキがかい?」


「まぁでもCランク冒険者だから、ワシにしてみれば容易いのう」


「で、どうすんだい」


「上手く町の外に誘き寄せて…楽しませてもらうわい」


「そりゃいいねぇ」


 すると男は側にいた男に指示を出した。


   ★   ★   ★


 翌週の4日目、私達は最初のステージに行こうとすると一人と少女が声をかけてきた。


「お姉ちゃん、これあげる」


「ありがとう」


 私達は女の子から可愛らしい花を一輪ずつ貰った。


「私も将来お姉ちゃん達みたいになれるかなぁ?」


「もちろんなれるわよ」


「ほんとにぃ~」


「本当よ。だから歌を楽しんでね」


「うん!」


 女の子は店の外で私達の歌を聞いていたみたいだった。

 話を聞くと、近所に住んでいて親の帰りを待って外で遊んでいたら、私達の歌が流れてきて好きになったと言っていた。

 今日も親が帰ってくるまで、外で私達の歌を聞いてくれるみたい。

 私達はいつもよりも女の子に歌が届く様に歌った。

 ステージが終わると外には女の子がいなかった。


 お母さんでも迎えに来て帰ったのかな?


 私達は辺りを見渡しながら次のお店に向かった。

 そして今日の2回目のステージも終わり家に帰ろうとしたら、一人の男が近づいてきた。


「綺麗な花をお持ちですね」


「ありがとうございます」


 すると男はニヤッと笑いながら話し始めた。


「その花を渡した女の子、会いたくないですか?」


 私達はすぐに察した。


「何が言いたいんですか!」


「ついてくれば分かるさ」


「あたし達が何でついていかなきゃならないのよ」


「来たくなければ来なくていいさ。女の子がどうなったっていいのなら」


 私達は男についていく事にした。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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