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23曲目 交渉

 自宅に着いた私達はモモカにご飯の用意をしてもらった。

 もちろん私達4人も手伝う。

 シオンには帰ってきた時に理由を話して、部屋で待っててもらった。


 今日は久しぶりの和食だ。

 ワカバが米を研いでお釜で炊いて、アオイが味噌汁を作る。

 私とキノは食器を用意して、料理長のモモカは何を作るのかなぁ?


 まだ出来上がりに1時間位はかかる。


 私はその間にマッテオさんとアベルさんの3人で話を進めた。


「今からお米を炊くので少し待っていて下さいね」


「お米って何ですか?」


「私も知らないですが…」


「お米は私達の国…村では主食にしていた穀物です。楽しみにしていて下さいね」


 2人はとても期待していた。

 今までも驚く事ばかりで楽しみにしてと言われたら、凄い物が出てくるに決まっていると思っているからだ。


 そして交渉が始まった。


「アカネさんはどれくらいの収入がご希望ですか?」


 まずはアベルが話を進める。


「私達はアベルさんに払う家賃もありますし、生活費にこの世界に歌を広めるには資金もかかります。もちろん貯金もしていかないといけないし…ざっと見積もっても月に5人で金貨20枚は稼ぎたいですね」


「ちょっといいですか」


 マッテオが話に割って入った。


「私の歌を広めるお手伝いをさせて頂きたいのですがどうでしょうか?」


「ちょっと待って下さい。マッテオさん、それでは今回の話も全てあなたに一任する事になる」


「まぁまぁアベルさん、マッテオさん、落ち着いて下さい。私達もそんなに長くこの町にいるとは限らないですし…」


「「えっ!」」


「何処かに行ってしまうのですか」


「それは困ります。なんならここを無料でずっと使ってもいい!」


「落ち着いて下さい。すぐって訳では無いですよ。ただ他の町にも歌を広めに行きます。それはいつになるかは私達も未定です」


「すいません。私達の都合ばかり言ってしまって」


「そうですね。昨日の様に1日3曲で週5日間、月で約21日間歌ったとして金貨6枚と小金貨3枚、約金貨14枚を他で稼がないといけませんね」


「はい、だから昼間はギルドの依頼を受けようと思ってます」


「しかし昼間の短時間では割のいい仕事はほとんど無いと思いますよ」


「そうなんですよ。今日見に行ったら、今は外が危ないのであまり仕事が無い見たいです」


「それではこれはどうでしょうか」


 アベルの提案はこうだ。


 1日3店舗のお店で歌う。

 時間は18時、20時、22時の3回に分ける。

 そして週に4日間やる。


「そうすれば週に3日間は自由に使えますし、私とマッテオさんで2日ずつ担当すれば平等になります」


「でもアベルさんとマッテオさんの利益はどうするんですか?」


「それは任せておいて下さい。こう見えて私達2人は商業ギルドでは結構名が知れた存在なんですよ」


「そうですね。今アカネさん達を紹介した事を後悔してますよ」


「まあそう言わずに」


 アベルはマッテオの肩を叩きながら笑った。


「そうすると1日で小金貨9枚、週で金貨3枚と小金貨6枚、月で金貨15枚と小金貨3枚です。私達の利益と税、自分達でお店と交渉しますよ」


「私の見立てではもっと頼んで来るお店が増えると思います。場合によっては月にこれで金貨20枚以上稼げると思います。どうですか?アカネさん」


「そうですね。それでは試しに1ヶ月頼みます」


「1ヶ月…ですか?」


「実は私もこういう事を色々やっていたので詳しいんですよ。フフ」


 私は笑顔で話した。

 話を聞いた私は確信した。

 この世界に歌は聞いてもらえるどころか流行ると、そして私達の評価は高く、かなりの利益を出す事が出来る。

 この世界にエンターテイメントは莫大な利益を生む。

 ではグッズを出したらどうだろうか?このまま私達の顔が売れればきっと売れるだろう。

 まずは行動範囲を拡げましょう。

 マッテオさんとアベルさんは私達を利用しようとしてるし、逆に利用しても文句は無いわよね。


「アカネさんは商業ギルドに登録でもしているのですか?」


 なるほど…


「実は今日登録に行こうと思っていたんですが…」


 チラッと私はマッテオさんを見た後に応えた。


「今回は頼みたいと思っています」


 その言葉にマッテオとアベルは顔を見合わせた。


「ふう、正直に言いますと私達から見るとアカネさん達は金を生む金の卵です。と言うか既にお金をばら蒔く金そのものです。だから是非私達にも協力させて頂きたい」


「分かりました。それでは今月はお二人にお任せします。その後はまた3人で話しましょう」


 2人は少し肩を落とした。


「分かりました。よろしくお願いします」


「ところで今の話でアカネさんのやっていた商売のやり方が少し気になります。今度教えてもらえますか」


「あっ!マッテオさん、抜けがけはズルいですよ。私にも教えて下さい」


「もちろんいいですよ」


 ホッと胸をなでおろした2人はひと息ついた。

 そして大体話が纏まりかけた時に、昼食の用意が出来たらしく、キノとワカバがご飯を運んできた。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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