2曲目 ギフト
アオイデーは5人に文句を言われない様に考えた能力を与える事を説明する。
「それでは私からあなた達に渡すギフトはアイテムボックスです。これは入れた時の状態をそのまま保存、取り出すまで入れた時の状態を変わらずに維持して収納出来ます。この世界ではアイテムボックスを持つ者もいますがとてもレアスキルであり、収納と言っても入る量は最大で300キロ位です。勿論入る大きさに上限もあります。そのレアスキルのアイテムボックスの収納量を10倍!更に入る大きさも10倍で提供しましょう」
「「「「「おぉぉぉぅぅぅ」」」」」
「更にレビテーションの魔法も全員使える様にしましょう」
「レビテーション?飛べるって事ですか?」
「そうです。この世界でも使える者もいますが、人族では賢者と呼ばれるクラスの人しか使えません。世界で数十人でしょうかね。でもこれが使えればあなた達がライブをする時が来た時、パフォーマンスの幅がもっと広がるでしょう」
私は誰よりも先に喜んだ。
またプロデュース出来るんだと、まだ夢は叶えられるんだと喜んだ。
「次に魔力や肉体能力は全ての種族の英雄もしくは最強と呼ばれる人達の同等もしくは同等以上!だから盗賊程度に襲われても平気です。これでアオイさんの心配はありませんね」
アオイは人一倍みんなの事を大事に思っている。
だから全て安心とはいかないが、話を聞いて多少はホッとした。
続いてアオイデーは個別の能力の説明をする。
勿論、5人の性格や地球での活動などを記憶から読み取り、みんなの個性にあった能力も用意してくれた。
「これからあなた達の能力を説明します。最初はアカネさん」
「はい」
「あなたには音と光を操る力と全ての剣の創造に操る力を与えましょう。これで新たに曲を作る事も楽器や音響、照明などの設備が無くてもあなたの自由に出来ますし、この世界を生き抜く力もありますので安心して下さい」
「あ、ありがとうございます!」
私は夢が広がった。
むしろ、地球での活動よりも充実しているので、自然と夢は大きくなった。
「続いてアオイさん」
「はい」
「あなたには全ての武術を使えて、更にその肉体に魔法を纏い戦う力と相手の心を読む力を与えましょう。これであなたの心配は事は無くなったと思いますが…」
「問題ありません」
アオイも冷静に返事をするが、私は一目でほぼ満足と分かった。
「次にキノさんとモモカさん」
「ほいほーい」
「はぁい」
「キノさんが食べたいお菓子やデザート、そしてモモカさんが買いたい洋服や化粧品などを買える能力を与えます。アイテム購入と頭で思うと、あなた達にしか見えないボードが出ます。そして地球のネットショッピングが利用出来ます」
「「ホント!」」
「どうやって?」
「そうですねぇ、頭の中でパソコンを立ち上げるイメージを持って下さい。そうすると目の前に現れると思いますよ」
「本当だぁ。その後は?」
「タッチパネルを操作するように使用して下さい。アイテムボックスも中身を確認する事が出来ますよ」
みんなが同時に開いてみる。
モモカは欲しい商品を見ている。
「これぇ、支払いはどうするのぉ?」
「商品をカートに入れると異世界の通貨で金額が出ます。横にお金を入れる所がありますので、その金額を入れると買った商品がアイテムボックスに自動に入ります」
「へぇー、嬉しいんですけどぉ!」
「これでまたお菓子食べられるね。モモっち」
「更にキノさんには全ての魔法を使えるようにしますので後で試してみて下さいね」
「ほいほーい」
「モモカさんにはこの世界には無い武器、銃を与えますが弾はありません。弾の代わりに魔力を弾の形状にして放ちます。だから魔力が無くならない限り弾切れは無いので安心して下さい。それと狙撃力は百発百中です。」
「何それ、あたし最強じゃない?」
「最後にワカバさん、あなたには特別な魔法クリエイトを授けます。この魔法はこの世界に無い魔法です。あなたが思う物を作ってみて下さい。」
「…サイコー、一片の悔いなし」
ワカバは高々と右の拳を掲げた。
「あっ!それとワカバさんには情報収集などにも特化した暗殺のスキルを渡します。勿論、罠を見破ったりも出来るし、武器は短剣と飛び道具となります。あなた達にの時代で言うと忍者みたいなものですね」
「…くノ一…私幸せ」
ワカバは興奮して倒れた。
「最後にあなた達にクリーンの魔法と音楽が流れるとその曲で使われた衣装を換装出来る様にしたので異世界でも大いに歌を楽しんで下さい。後、特別に戦闘中にソロの歌を歌うと必殺技が出ます」
その言葉に5人は大喜びした。
ただ、必殺技って何?と思いながらも、ワカバだけが必殺技に大興奮して、そしてまた立ち上がった。
個別に言うとこうなる。
アカネ ・・・ 攻撃力
アオイ ・・・ 防御力
キノ ・・・ 魔力
ワカバ ・・・ 素早さ
モモカ ・・・ 命中率
各自がこのような特化した個性を得る事が出来た。
「それではあなた達の夢が叶うように祈っています。気をつけて行ってらっしゃぁ~~~いぃぃぃ」
アオイデーは他に注文をつけられると面倒なので、そそくさと逃げるように消えていった。
「ちょっ!ちょっと待ってよぉ」
キノ、ワカバ、モモカは満足しているが、私もアオイもまだ聞きたい事は山ほどあったのに、私達の声は届かずに足から順に体が消えていく。
気が付くと私達は知らない世界、しかも周りには道一本しかない、誰もいない野原で倒れていた。
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