18曲目 コーヒーと紅茶
私は驚いた。
今まで色々な飲み物を飲み、趣味で店まで開いた。
もちろん、店に出している飲み物にも自信はあった。
だから一杯銅貨3枚から高い飲み物だと銀貨1枚で出している。
ありえない!この紅茶という飲み物、そしてコーヒー、今まで味わった事のない飲み物だ。
価値観が壊れてしまった。
一体どのくらいの値がつくのだろうか。
「すいません、最初にいただいた紅茶を少し見せてもらいたいのですが」
するとモモカが紅茶のティーパックを持ってきた。
「なんですかぁーーー!これはぁーーー!」
「紅茶のティーパックです」
モモカはアベルに説明した。
「す、凄い技術だ。これをそのままお湯に入れるだけ、そして使い終われば処分も簡単だ。一体いくら位するのですか?」
訊ねた僕は唾を飲んだ。
このティーパックとやらで1~2杯作れると言う。
私の見立てではこれ1つで銀貨2枚、いや5枚と言われても不思議ではない。
するとモモカが
「えっとぉ、30パックで銅貨4枚位かな?」
「30個で銅貨4、4、4、4、4枚ぃぃぃーーー!」
ありえない!安い、安すぎる。
まるでこの国の金銭感覚が壊れる程に
すると今度はキノがケーキを持ってきた。
「これは?」
「ケーキ、コーヒーに合うよぉ」
僕はその言葉に思わず一口食べた。
「う~ま~い~ぞーーー!」
僕としたことがはしたない言葉を出してしまった。
「す、すいません。さっきから大声で。ところでこのコーヒーを作る入れ物はいくらでしょうか?もし、余分にお持ちなら譲って頂きたい!」
「えっとぉ!サイフォンが銀貨8枚でミルが3枚、コーヒー豆は1キロ銀貨1枚と銅貨5枚です」
「安い!安すぎる。よかったら譲れるだけ譲って頂きたい!お金はその5倍出します!」
「別にいいですよ。ちょっと待って下さいね」
アカネとモモカは食堂にいき、購入する。
とりあえずサイフォンとミル、ティーパック30個入り5つ、コーヒー豆を2キロ、砂糖1キロと粉ミルクで合計小金貨1枚と銀貨6枚、それと銅貨6枚だ。
「とりあえずこれでいいですか?」
「ありがとうアカネさん、モモカさん、こんなに…いいんですか?」
「はい、小金貨1枚と銀貨6枚と銅貨6枚ですね」
「そんな金額では申し訳ない。どうでしょう、今月分の家賃というのは?」
「いいんですか?」
「はい、私としてはそれでも少ない位だ」
「ありがとうございます。其れでお願いします」
もちろん私はとてもいい買い物をした。
そして彼女達も喜んでくれて、この巡り合わせにマッテオさんにも感謝だな。
★ ★ ★
私達がケーキを食べ、コーヒーを飲んで寛いでいたら、マッテオさんも家にやったきた。
モモカがコーヒーを入れ、マッテオさんに差し出した。
「皆さん遅くなってすいません」
「マッテオさん、とりあえずお茶でもどうぞ」
「ありがとうございます」
マッテオは香りはいいが、真っ黒な謎の飲み物に困惑している。
「あのぉ、これはどういう飲み物なんですか?」
「まぁ、マッテオさん。とりあえず砂糖とミルクを入れて飲んでみて下さい」
アベルに言われるがまま飲んでみた。
「美味しい!しかもこの上質な砂糖に見たこともミルク…これは!」
モモカがマッテオに砂糖と粉ミルクを見せた。
「マッテオさん砂糖が1キロで銅貨2枚、粉ミルクはこの瓶に入って銅貨4枚です」
どうせ聞かれると思い、モモカは先に説明をした。
「あれ?マッテオさんは驚かないんですね」
「えぇ、昨日から既に驚き疲れましたので」
「そうなんですか!」
「私としては彼女達と長いお付き合いをしたいです」
「なるほどね。僕も同意見ですよ。紹介してくれたマッテオさんに感謝です」
そういって彼女達から買った紅茶、紅茶1セットを見せた。
「おお、羨ましい!さすが抜け目がないですね」
二人はお互い嬉しいそうに笑い出した。
「あっ!そうそう、アカネさん」
「はい」
「知り合いの酒場でよかったら歌を歌って見ませんか?」
「えっ?」
「私が話したら是非聞いて見たいと」
私達は喜んだ。
まさに本当と第一歩を踏み出した感じがした。
「「「「「ありがとうございます」」」」」
「マッテオさん」
「はい」
「歌ってなんですか?」
マッテオがアベルに説明する。
「よかったら聞いてみます?」
「いいんですか?」
「はい、もう夜なんでバラードで」
「バラード?」
「あっ、簡単に言うと静かな…大人しい歌です」
「なるほど…お願いします」
私達はその場で立ち上がり、そして歌った。
もちろんマッテオさんもこの歌は初めて聞くので、前に聞いた歌とは違い興奮というよりも感動が強く響き渡ったみたいだった。
「素晴らしい!僕は少し泣きそうになりましたよ」
「はい、私もです。前に聞いた時は興奮して夜も寝つけない程でしたが、この歌も素晴らしい!是非明日知り合いの店で歌って下さい」
「僕も明日そのお店に行きます」
マッテオさんもアベルさんも喜んで帰っていった。
私達も自分達の部屋だけ決めて、今日は軽い食事だけして備え付けのベッドで横になり寝ることにした。
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