16曲目 決着
3戦3勝でアカネ達の勝利は決まった。
さて、残り2人の実力も見たいがさすがに疲れた。
見ている奴等でさえ、疲れきった顔をしている。
ベン達だけだな、喜んだいるのは。
「それでは先に3勝した彼女達の勝ちにする。デニス、文句はないな?」
「あぁ、敗けは認めるがこのまま試合を続けされてくれ!負けっぱなしで俺達2人の無傷は、やられた仲間に顔向け出来ねぇ!頼む」
「ふぅ、ベンはどうする?賭けをしたのはお前だろう」
「あぁ、敗けは認めたんだ。後はアカネちゃんとキノちゃんがいいなら俺は構わない」
「さて、アカネさんとキノさんでいいのかな?どうする、試合はするか?もちろん負けても君達5人はCランク冒険者として登録はさせてもらうよ」
「まぁ、そこまで言われたら試合してもいいわよ」
「ボクもいいよ」
「だそうだ。では試合を続けるぞ」
「あぁ、ありがとう。アンドレアスいけ!」
「あぁ」
こうなったら最後まで付き合うしかないな。
俺は覚悟を決め、ギルド長らしく最後まで見守ることにした。
「ふん、魔法使いか。詠唱なんてさせないぜ」
「平気、平気。詠唱したことないから」
「えっ?」
「試合開始!」
アンドレアスが詠唱させまいと突っ込んでいくと、両手を広げたキノの両サイドに直径1メートルのファイアボールが出来上がる。
「いっくよ~~~」
巨大な斧を持ったアンドレアスは躱せないと理解した瞬間、奇跡的な動きで斧を盾にした。
普通のファイアボールよりも、巨大で威力とスピードのある炎の塊がアンドレアスの斧を溶かし吹き飛ばした。
全身に軽い火傷で清んだアンドレアスに向かいもう一つのファイアボールが投げられようとした時、モーリッツは試合を止めた。
「そこまで!アンドレアス、敗けでいいな」
「あぁ、すまねぇ。助かったよ」
おいおい、あのキノって娘!伝説の魔法使いじゃないのか!!俺の知っているSクラス魔法士の遥か上だぞ。
次で最後か…
「デニス、準備はいいか?」
「あぁ、いつでもいいぜ!」
アカネは刀を持ち、中央に歩を進める。
いつもの、デニスだったら片刃の細い剣をバカにしただろう。
今までの試合をしっかり見ていたデニスは無言で大剣を持ち、中止に立つと試合開始前に珍しく構えをとった。
「試合開始!」
いつもなら後先考えずに力任せに突っ込んでいくデニスも慎重に構えたまま動かない。
するとアカネはまっすぐに懐に入ると抜刀する。
実力はAランク冒険者に匹敵するデニス、咄嗟に大剣を前に出しバックステップで躱す。
アカネはすぐに間合いを詰めると更にスピードを上げた。
「くっ!まだ対応出来ないレベルではない!」
隙をみて斬りかかると、デニスはアカネを見失った。
すぐに後ろを振り向くと、またスピードを上げたアカネが斬りかかってくる。
「くっ!まだ上がるのかよ!」
「そろそろ降参しますか?」
「降参するぐらいなら死んだ方がましだ!」
アカネは諦めて防具で固めているボディに2連撃、十字に斬った。
ほとんどの人が何をしたのか分からずに、デニスは後方に吹き飛び壁に激突して気を失った。
「しょ、しょこまで!」
な、な、な、なんなんだぁ!
全く見えない、剣筋が!
おいおい、デニス死んでないだろうな?
「約束通り、君達にはCランク冒険者として即時に登録、発行する」
「「「「「やったーーー!」」」」」
なんて娘達なんだ。
今までの常識が頭から降っとんでいくみたいだ!
するとアカネはキノとケルベロスの所にいき、キノの魔法で怪我を完治させた。
もちろん治癒魔法には全員が驚いたが、ケルベロスの態度が大人しくなってユニコーン達にも謝っていた事にもみんなが驚いていた。
「では手続きをするから上にもどってくれ」
俺は先に試験場を後にすると、受付に話を通しにいく。
「悪い、待たせたな」
「もう、私1人で寂しかったですよぉ~。それでどうなったんですか?」
「彼女達の全戦全勝だ」
「えーーーーーっ!」
「ところでソフィア、彼女達の記入した用紙を見せてくれ」
俺は彼女達の書いた用紙を確認した。
用紙とベンとソフィアの聞いた話を合わせると、貴族ではなくて名も無い小さな村、職業はアイドル?確かに見たことの無い武器や魔法、そしてチーム名はアルテミス、なるほどね。
「あのぉ~、ずっとぶつぶつ言ってますが…本当に発行していいんですか?」
「ああ、Cランク冒険者ですぐに発行だ!」
「は、はい」
「ところで…アイドルって何ですか?」
「……………俺にもわからん!」
「え、えーーーーーっ!」
そして彼女達が戻ってきたので俺は平常心を装って軽く挨拶をしてギルド長室に戻った。
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