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13曲目 新たなBランク冒険者

 一通り説明を受けた後、私とアオイは記入用紙をもらって記入するが、気になる所があるので私はキノ、ワカバ、モモカを呼んだ。


「キノ、ワカバ、モモカ、ちょっと記入する前にこっちにきて!」


「ほいほーい」


「…オッケー」


「はぁ~い」


 私達は円陣を組み話し合った。


「みんな名前どうするの?私達芸名でしょ!それに名字はどうする?」


「ボクさっきミアっちとクラっちに聞いたんだよ。何か名字を持っている人って貴族ぐらいで冒険者にはあまりいないらしいよ」


「なるほどね。ファーストネームは貴族以上で冒険者にはあまり貴族はいないと…」


「アカネさん、だったら芸名のままでいいんじゃない?ベンさん達にも芸名で名乗っているし」


「そうね。ところで職業は何て書くの?」


 私の質問でみんなが頭を抱えた。

 するとワカバが珍しく話し始めた。


「普通の冒険者登録ならアカネは剣士、アオイは武闘家、キノは魔術師、モモカはガンナー、私は錬金術師だね!」


 なぜか誇らしげに言うワカバだった。


「ねぇワカバ、この世界にガンナーは無いんじゃない?ほら、女神様が言ってたし、それに錬金術ってあるのかなぁ~?」


「………ムムム!」


「アカネちゃん、あまり考えなくていいんじゃない?素直にあたし達の本業を書けばぁ」


「歌手?ガールズユニット?」


「もっと分かりやすくアイドルでいいじゃない」


「でもこの世界の人は分からないわよね?」


「だからそれも含めて教えるのよ」


「なるほど、宣伝を兼ねた冒険者活動ね」


「いいんじゃないかなぁ、ボクも賛成だよ」


「…それでいい」


 話が纏まりかけると受付のソフィアに呼ばれた。


「アカネさん、アオイさん、早く記入をお願いします」


 私達は話し合った通りに名前は芸名、職業はアイドルと書き、出身地は未記入で名も無き村と言う事で記入して提出した。


「あのぅ、職業アイドルって何ですか?私、初めて聞く職業なんですが…」


「アイドルはみんなに歌を届ける職業です」


「歌って何ですか?」


 もちろん一からの説明になる。

 しかし、すぐにフィンがフォローに入る。


「おいおいソフィアちゃん、歌って言うのは聴かなきゃわからんよ。とりあえず登録して今度彼女達の歌を聴いてみなよ」


「しかし…ちょっと待って下さい。初めて知る職業は聞いてみないと簡単には登録出来ませんよ」


 私達が冒険者登録に手間取っていると、知らない男5人組が話に割り込んできた。


「おいおい!ここは子供の遊び場じゃないんだぜ」


「フィン、てめえの女好きも困ったもんだぜ。邪魔だからさっさとここから去りやがれ!」


「なんだケルベロスかよ。デニス、ヘルマン、お前らの相手をしている暇はねぇんだよ」


「ねえちゃん達よぉ、遊びたいんなら俺と遊ぼうぜぇ~」


 1人の男が立ち上がったアオイの肩に手を回してお尻を触ってきた。


「気持ち悪い、私に触らないで」


 アオイは軽くビンタをすると男は吹き飛び、壁に叩きつけられた。


「やってくれるじゃねぇか」


「おい止めろ!最初に手を出したのはアントンだろうが!!」


「最初が誰だろうが関係ねぇんだよ!俺達ケルベロスに手ぇ出した事が問題なんだよ!」


「女、子供になめられてよぉ~、黙ってられねぇんだよ!」


 するとヘルマンはフィンを蹴り飛ばした。

 Bクラスの冒険者の喧嘩だけに周りにいた冒険者は一気に引き下がった。

 テーブルにぶつかり、倒れてテーブルの下敷きになっているフィンに向かって、追い討ちをかけるようにヘルマンは蹴りを入れ続けるとミアとクララが助けにいこうとする。


「ヘルマン、フィンから離れなさい。じゃないと矢で射抜くわよ!」


「燃やしてやるわ」


「へぇー、出来るもんならやってみろや」


 するとキノがミアとクララの前に立つ。


「ミアっち、クラっち、平気だよ」


 その瞬間、キレたアオイの蹴りがヘルマンを吹っ飛ばした。


 もう知らない。

 アオイがキレたら私達でもお手上げよ。

 とりあえずフィンさんの傷を直さないとね。


「キノ、フィンさんをお願い」


「ほいほーい」


 アカネとキノがフィンを助ける。


「キノちゃんありがとう。アカネちゃんも」


 アカネとキノはフィンに笑顔を向けると、場の空気は変わっていた。

 吹き飛んだヘルマンは気を失っている。

 それよりもデニス達ケルベロスの残り4人はすぐにアオイの実力を見抜いて対峙する。

 そしてミアとクララもアオイを見守る。

 なぜならミアとクララは加勢しても足を引っ張ると分かっているからだ。

 そして周りのギルド職員や他の冒険者達も物音1つ立てずにいる。


 たった1分の睨み合いが周りの人からは10分以上に感じる程の緊張感が走る。

 するとギルド長室の扉が空いた。


「お前らのそこまでだ!」


 ギルド長の一声でアオイ達とケルベロス以外は安堵のため息を漏らした。

 だが、それで終わる事はなかった。

 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!


 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

これからもご愛読してもらえる様、頑張っていきたいと思います。

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