11曲目 紹介
私達が呆然と立ちすんでいるとマッテオさんが私の肩を叩き呼んだ。
「アカネさん、よかったら私のお店まで着いてきてくれますか」
「あっ、はい」
「皆さんもご一緒に」
私達はみんなマッテオさんのお店に行き、着くとベンさんがマッテオさんに依頼完了のサインをもらっていた。
私達はまた後でギルドに行きますと声をかけて、ここでユニコーンのみんなと別れた。
「じゃあ俺達はギルドに報告にいかないといけないからまた後でな」
「はぁい」
「キノちゃん達も私達に会いに来てね」
「ほいほーい」
私達はユニコーンのみんなに手を振り見送ると、マッテオさんがそのまま友人のところに案内してくれた。
マッテオさんのお店から約30分程歩いた所の日本でいう不動産があった。
どうやら貴族らしく、受け継いだ土地に建物を建てて安く貸していて利益を得ているらしい。
建物もマンションみたいに1つの建物に多数の部屋があり、複数の平民に貸しているとマッテオさんは言っていた。
とても良心的な人だが貸す相手は信頼出来る人だけでなかなか借りる事は出来ないみたい。
話をしながら歩いていると知り合いのお店に着いた。
どうやら不動産というよりも趣味で小さな喫茶店をしていて、紹介で部屋を貸しているようだ。
「アベルさん、こんにちわ」
「やぁ、マッテオさん帰ってきたんですか」
「はい、先程戻りました」
「どうですか、良い茶葉はありましたか?」
「すいません、質の良い物はありませんでした」
「そうですかぁ~」
アベルは少し残念そうに肩を落とした。
「実は少し頼みたい事がありましてぇ」
「そちらのお嬢さん達でしょうか」
「はい、彼女達に家を貸して頂けないでしょうか」
「マッテオさんの頼みならもちろんお貸ししますが、ただ今空いている部屋が無く、私が使っていた別邸で良いのなら…もちろん家賃は高いですが」
「家賃はいくらになりますか?」
「そうですねぇ~、マッテオさんの紹介ですからねぇ~、安くして月に金貨2枚でどうでしょうか?」
「金貨2枚ですか!、別邸という事はあの家ですよねぇ」
「はい」
マッテオは5人に家の間取りを説明した。
簡単にいうと、2階に6部屋あり、1階には食堂と風呂やトイレの他に談話室や使用人の部屋などがある。
普通に考えたら金貨5枚でも安いぐらいだ。
「「「「「そこにします!!」」」」」
私達は即決した。
すぐに住める様にと掃除と契約書の準備で2時間程かかるみたいなので、待っている間に冒険者登録をする為、ギルドに向かった。
場所を聞き、迷うこと無く無事にギルドに着くとユニコーンの皆さんがわざわざ待っていてくれた。
「ベンさん、もしかして待っていてくれたんですか?」
「まぁ、暇だしな」
ベンは照れ臭そうに言うと、周りの仲間にいじられる。
「アカネちゃん、うちのリーダーは完璧にみんなのファンって奴になっちゃったんだよ。もちろん俺もだけどね」
「ありがとうございます」
「ほら、もうキノちゃんとワカバちゃんとモモカちゃんはうちのミアとクララに連れられて登録してるよ」
「ホントだ」
「アカネちゃんとアオイちゃんは俺が教えるよ」
「フィンさん、お願いします。ところでベンさんは?」
「俺か?俺は今からギルド長に挨拶にいってくるよ」
「分かりました、行ってらっしゃぁ~い」
ベンはギルド長の部屋に入っていった。
「じゃあ、アカネちゃんとアオイちゃんも登録しちゃおっか」
「「はい!」」
フィンは空いてる受付の所に2人を連れていく。
「やぁ、ソフィア」
「フィンさん、どうしたんですか?可愛い女性を2人も連れて、真面目に仕事した方がいいですよ」
「違うんだ。今日は彼女達の冒険者登録を頼みたいんだけど」
「彼女達がですか?こちらも断りはしませんが、平気なんですか?」
「何が?」
するとソフィアは小声でフィンに伝えた。
「ここだけの話、最近多いんですよ」
「何が?」
「魔獣です。この辺は滅多に魔獣は出ないじゃないですか。それが最近魔獣の目撃者が多数ありまして、今ここのギルド唯一のAランク冒険者チームの麒麟が調査に出掛けているんですよ」
「ホントかよ!」
「ですから新人冒険者が遭遇して死んだ人や大怪我を負った人がいて、調査が終わるまではDランク以下の冒険者には仕事を自粛してもらっているんです」
「なるほどね」
「だから登録は出来ますが調査が終わるまでは仕事をしないようにフィンさんからも伝えて下さいね」
「それはいいが、彼女達は俺達よりも圧倒的に強いぞ!」
「えっ?」
ソフィアはどうせフィンの冗談と思い、アカネとアオイに冒険者登録の説明をした。
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