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103曲目 グレータとドミニク

 少しドミニクの頬が緩む。


「助かる」


 斧の刺さったまま怒り狂ったルビーアイは風魔法を放つ。


「ネリー、頼む」


「リーダー、任せて」


 ネリーの魔法障壁でルビーアイの魔法を防ぐと、ドミニクが飛びかかり、ノラのファイアボールと同時にダメージを与える。


 そして振りかぶったルビーアイの右手をドミニクが2本の剣で止めると、今度は左手がドミニクを襲う。


「私もいるんだがな」


 ルビーアイの左腕を下から上げる様に斧で斬ると同時に、脇に刺さった斧に蹴りを入れてそのままジャンプ、苦痛で叫び苦しむルビーアイに2本の剣で胴を薙ぐドミニクは1本の剣を思いっきり突き刺し、今度は刺さったままの斧を抜き取り、上へと投げる。


「す、凄い」


 ノラとネリーは何もせず二人をただ見ていた。


 投げられた斧はグレータが掴み、真上から首筋を斬ると隙かさずドミニクが刺さった剣を抜き取り右腕を斬る。


 息もつかせない攻撃が続く。


「はぁーーっ」


「しばらく見ない間に私についてこれる様になったようだな。ドミニク」


「ふっ、ランクは俺の方が上なんだがな」


 ドミニクから笑みがこぼれる。


「行くぞドミニク」


「ああ、任せろ」


 ルビーアイが攻撃しようとすればグレータとドミニクが交互に攻撃をする。

 二人の動きに隙がない。


「本当にあれで私達と同じBランク?」


「確かリーダーとは同期って言ってた」


「それでもBランクにはかわりはないわよ」


 気づけばルビーアイは最後に声をあげ、ドスンと後ろに倒れ息絶えていた。


 二人の連携は凄まじかった。

 グレータは強い。

 はっきりいってドミニクよりも強い。

 それは見ていたネリーとノラでもわかった。


 だがドミニクはAランクでグレータはBランクなのは理由がある。


 それは過去に組んでいたパーティーの時、Cランクだったドミニクが護衛対象の商人を守れず死なせてしまったからである。

 もちろんドミニクに非はなく、今回のように護衛中に勝手に冒険者の目を盗み、勝手に行動した商人は魔獣に襲われ死んでしまった。

 後日、冒険者組合が調べた結果、罪は問われるとこはなく、死んでしまった商人の遺族も納得し、何事もなく終わった。


 だが、真面目なドミニクには自分が許せなかった。


 一番近くにいた自分が気づいていれば…


 その時に同じパーティーにいたグレータはドミニクを説得したが、ドミニクはパーティーを脱退、それを気にしたグレータもしばらくして脱退した。

 今ではお互いがリーダーとしてパーティーを組んで活動している。


 ドミニクはもう二度とこのような事がないように力をつけ、早くAランクへと昇格して、グレータは周りに合わせてBランクのまま実力をつけてきた。


 ドミニクにとっては自分よりも強いグレータは同期の仲間であり、自分の持ってない強さを持ったライバルでもある。


「はあはあ…さすがグレータ、まだ俺の上をいくか」


「はあはあ…ハハッ、おだてても何も出ないぞ」


 みんな野営場所に戻ろうとした時、グレータとドミニクは無数の殺気を感じとった。


   ★   ★   ★


 野営地では、


「早くしろ」


「ひぃひぃ、せっかく集めた月光華がぁ」


「お前!」


「わ、わかってる。わかってるよ」


 ぶつぶつ言いながら部屋に行き、他の商人達に伝えに行く。


「どうしたんですか?うちのリーダーも急いで森の方へ行ったんですけど…って、ケガしてんじゃないですか!」


 イーダはホルストに手持ちのキズ薬を塗ってあげると、ライマーとボイスが駆け寄る。


「すまない。ありがとう」


「ホルストさん。一体どうしたんだ」


「とりあえず他の冒険者と商人、全員起こしてきてくれ。そして俺達は警戒態勢に入り、商人達にはいざとなったら即座に逃げれるように準備させてくれ」


「わ、わかった」


 その言葉だけで緊急事態と言う事は伝わってきた。


「おい、どうしたんだ」


「まだ夜が明けてないじゃないかぁ」


「何か起きたんですか?」


 全員が外に集まると、ホルストはことの成り行きを説明した。


「という訳だ。先ずはセイレーンとアルテミス、外側に大きく火を炊き、魔獣を簡単に近寄せないようにしてくれ。そしてライトの魔法が使える者はこの場所を出来るだけ明るく、他の冒険者は火の内側から陣形を取り防御してくれ。商人達は俺達の後ろでなるべく真ん中に集まって欲しい」


 元気よく最初に返事をしたのがキノだった。


「ほいほーい。ワカっちよろしくぅ」


「…任された」


 ワカバが一瞬で大きな土台を作るとアイテムボックスに残っていた残りの木材を焚き木に変えて並べた。


「いっくよ~〜〜。ほい」


 もちろん無詠唱での無数のファイアボールが一斉に焚き木に火をつける。


「「「「はぁ〜〜〜〜〜〜」」」」


「おいおい!無詠唱ってだけでAランクだろ!なのにその数のファイアボールもありえないだろ!!」


「ねぇ君、ライトは使える?」


「できるよん」


 今度はどデカい光の玉が辺り一帯を照らし出した。


「何だよこの明るさは」


「これはどれ位持つんだ?10分?それとも15分?」


「朝までいけるよん」


 全員が開いた口が塞がらない。


「ここはもう平気よね」


「あっ、ああ〜」


「キノ、ワカバ、あとは頼んだわよぉ」


「ほいほーい」


「…ビシッ」


 何故か敬礼


「と言う事で、私達はグレータさん達のフォローに行くわよ」


「えっ、フォ、フォロー?あっちょっと、ま………」


「アオイとモモカは私についてきて」


「はい」


「はぁ〜い」


 みんなが呆気にとられている間に3人は森の中へ入っていった。

 ここまでのお付き合い、誠にありがとうございます。

 次話も月曜日に更新予定です。


 ここまで読んで「面白かった」「続きを読みたい」と思われた方は、ブクマ・評価・ご感想という形で応援して頂けますと、とても嬉しいです!

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