10曲目 王都シュテルンツェルト
私達とフリーダさん、リリちゃんはゆっくり寝たが、マッテオさんとユニコーンのみんなは興奮してあまり眠れなかったようだ。
「おはようございます」
「やあ、おはよう。昨日は楽しかったよ。また歌ってやつを聴かせて欲しいな」
「ありがとうございます」
私達は買っておいた菓子パンと飲み物を追加してみんなに配った。
これがまた大好評!みんな興奮して食べる。
特に商人であるマッテオさんからは朝から質問攻めされる。
私は思わずアオイに振ってしまった。
ごめん!アオイ、後はよろしく
私は心の中で謝罪をした。
ベンさんとフィンさんはモモカと話している。
やっぱり男は可愛い巨乳系に弱いのかぁーーーっ!
ミアさんとクララさんはキノと話している。
何かキノは妹っぽくて可愛いんだって!
ワカバはリリちゃんの相手をしていて、私は隣でフリーダさんと一緒に寛いでいる。
そしてシオンは朝テントの中で菓子パンを食べてから部屋に戻った。
今日目指す所はヴァルト王国の首都ヴァルト、後半日歩けば着くらしい。
だから途中に昼食を食べて休憩する予定だ。
「美味しい食事をありがとう。今度は俺達ユニコーンが先導するから、ゆっくりと着いてきてくれ」
「「「「「はぁ~い」」」」」
私達は素直に甘える事にした。
異世界二日目、とてもいい天気で出会いもあり、私は少しホッとした気持ちでゆっくりと歩く。
周りのメンバーもとても楽しそうで安心した。
何事も無く順調に進み、私達は休憩と昼食をとる事にした。
昼食はマッテオさんが用意してくれた。
私達が用意しても良かったが、どうやらこちらの食文化がかなり低く、これ以上質問をされても疲れるので少し自粛する事にした。
「な、なるほどね」
私はチラッとキノを見ると残念そうに我慢して食べているのが分かる。
「あのぉ~、マッテオさん」
「何ですか?アオイさん」
「この世界、これから行く王都では身分証明書はあるのでしょうか?」
「ひょっとして皆様は身分証をお持ちでない?」
「はい」
「これは驚きました。こんなに強いのでお持ちかとおもっていました」
「どういう意味でしょうか?」
「身分証の取り方は色々あります。1つが町で発行する住民登録の身分証です。身分証を受け取る代わりに毎年税金を払います。その他に私みたいに商業をする為に発行する商業証、これも身分証になります。後は彼等の様にギルドでギルド証です。こちらも身分証になります」
「そうですか」
「はい、町の出入りには門番に身分証を見せて入るか、金銭を払って短期間の身分証を発行するしか方法はありません」
すると話を聞いていたベンが話に割り込んできた。
「だったら冒険者になったらどうだ」
「冒険者ですか」
「ああ、そうすれば身分証の心配はないぜ!それに仕事もある。分からない事があれば俺達が何でも教えるぜ!」
「ありがとうございます。アカネさん、みんなぁ~、ちょっとこっちに来てぇ~!」
5人はマッテオとベンの前に座り話を聞いた。
私は賛成した。
とりあえず、仕事と身分証の問題は無くなったけど、住まいと活動方法を考えないといけないわ。
「ねぇアカネちゃん、何難しい顔してんの?」
「アカッチ、顔ブサイクゥ~」
「住む場所をどうしようか考えていたのよっ!」
「よろしければ、私の知り合いに空き家を持っている人がいるので紹介しましょうか」
「「ホントですか!」」
思わずアオイとハモってしまった。
でもこれで安心ね。
休憩も終わり、2時間程歩くと大きな壁と門が見えた。
「もうすぐ着きますよ。ほら王都シュテルンツェルトが見えてきました」
「アカネちゃん、アオイちゃん、着いたらどうすんの?」
「ボク~何か食べたい」
「…色々見たい」
「そうね、ベンさんに頼んで身分証作ってからマッテオさんに空き家の持ち主を紹介してもらいましょう。時間があれば自由行動で!どう?アオイ」
「いいと思います。ところでマッテオさん時間は分かりますか?」
「魔道具がありますので、ちょっと待ってください」
マッテオは鞄から懐中時計見たいな魔道具を出して時間を確認した。
「今、大体昼の3時位ですかね」
「見せてもらっていいですか」
「どうぞ」
アオイは魔道具を借りてアカネと確認した。
どうやら時間の流れは日本と変わらないみたいなので、後でモモカに頼んで安い腕時計を5つ買ってもらう事にした。
話している間に王都の門前に着いた。
門番には私達の事をマッテオさんとベンさんで話してもらったので細かい手続きや荷物検査も簡単に済ませてもらい、仮の住民証5人分で小金貨1枚を払い、門の中に入った。
「「「「「うわぁ~」」」」」
見た事もない景色、建物、そして中央にそびえ立つ王宮に思わず声が出た。
まさにファンタジー!私達は不安や緊張よりもドキドキしていた。
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