高校生編 第一話
何ら印象に残らない中学時代を送った俺は、特別な苦労や紆余曲折もなく無事にと言うべきかはわからないが、私立高校に進学を果たすことができた。
無事という単語に疑問が残るのは、下の上程度のお馬鹿高校だからだ。これはすなわち俺が特別勉強しなくても入学することのできる程度のレベルの高校であり、俺の学力では十分にトップになることができる。要するに楽ができる、勉強にさほど困ることがないのだ。もちろん大学受験のための勉強は全くの別物であったが、中学校を卒業したばかりの俺にはそんな遠い未来のことを考えることなど到底不可能であった。
高校生活では、あらゆることを教えてもらった。色んなことを知ることができた。様々なものを与えてもらった。そんな俺の高校時代を勝手に語ろうと思う。
まず、俺の通う高校についてだが、自宅から自転車で30分の距離にある、普通科の私立高校だ。普通科ということで一応は大学進学を前提とした高校であるが、そこまで進学率は高くはない。そして一口に普通科というっても、いくつかのコースわけがされており、僕が所属していたのは、その普通科の中でも特別進学コース、いわゆる特進コースと呼ばれる大学進学に特化したクラスであった。要はお馬鹿の中でもほんの少し優れた馬鹿だったのだ。
そして驚きだったのが、このコースは卒業するまでの三年間、クラス替えが存在しないのだ。なぜかって、特進コースは人数が少ないためクラスを分けることすらできないのだ。クラスメイトと三年間一緒で、おまけに担任の教師まで変わることはない。中学まで毎年クラス替えがあり、新年度を新鮮な気持ちで過ごしてきた俺にはとても衝撃的であった。ちなみにこのことは入学式のあとのホームルームで初めて知った。オープンスクール?そんなもの行ってるわけないだろ。
仮に孤立したら地獄のような三年間を過ごすことになるんだろうな、なんてことを考えていたことをよく覚えている。三年間一緒というのはそういうことにもなりかねない。実際に……、いや、これは順を追って話そうと思う。
今まで何書いていたか忘れた