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小学生編 第二話

 きっと、俺くらいの年代の男子小学生の大部分はフラッシュ動画が好きだったはずだ。当時、俺は狂ったようにフラッシュ動画を漁って見続けていたいわゆるマイブームというものがった。ジャンルは問わず、検索キーワードには『面白い 動画』であった。今では絶対にしないような検索の仕方であるが小学生の俺にはこれが限界であった。そのような幼稚な検索でも、いや、だからこそ万人に受けるような動画が数多くあり、僕は夏休みの時間の多くを動画サイトに費やした。

 そこで俺は一つの動画に出会った。それはアニメのオープニングを文字列で再現するというものであり、今でこそAA(アスキーアート)の応用であると分かるが、初めて見た僕は大層感動した(アニメの原作であるライトノベルをその日のうちにそろえたことはまた別の話)。そこで僕はその動画にコメントをしようと試みたのだ。

 しかし当時から語彙に乏しかった僕はコメントの内容が考えつかなかったのだ。その理由というのも、その動画は好き嫌いが別れる類であり批判コメントも多く書いてあり、僕はすっかり萎縮していたのだ。コメントに対する反応も過激なものが多く、どうコメントすべきが非常に悩んだ。今思い返すと、人気アニメであったが故の単なるアンチであり、気にする必要もなかったのだが。ともあれ、やっとの思いでひねり出した当たり障りのないようなコメントをようやく送信したのだ。

 なお、補足しておくが、そんなに悩むならコメントをしなければいいのではないかと思うかもしれないが、僕はその動画に感動を覚え大いに興奮していたのだ。今でもそのアニメは俺の思い出となっている。そして、同時に僕は既に拗らせを発症していて、他人の反応に敏感であったのだ。

 そして、コメントをしてから数十秒。これは今でも驚きであるが、なんとすぐにコメントに返信が来たのだ。それも作者本人からである。内容はいたって普通のお礼であったが僕は飛び跳ねるようにして喜んだ。これが俺の最初のネットを通じた他者とのやり取りであった。

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