表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

泣いてもいいのに

作者: 秋葉竹



突風で

崩れる身体を抱きしめて

貴女は信じる 泣いてもいいのに





かぜはふく。

ふときがつくと、あなたはいない。


永久凍土にあこがれている、

じぶんをまるですて猫みたいと


自嘲しわたしとうなずきあった

にどめのりこんをきれいにおわらせ


ちいさくほほえみ

こえを、なくした。


あなたがいない

せかいは、いやだ。


ゆたかなこころの日はとおい、

らくえんから来た孔雀のよう。


おおきな羽をはばたかせ、

どこかの世界へ舞い降りる。


あなたはどこへ

消えたというの?




たったひとりでしぬまでいきる

かたるあいてもいないよる。


明けないよるは ないはずなのに

あなたは明けないよるにいる。


あなたが いない、

せかいは、いやだ。


わたしは、あなただ

あなたとおなじだ。


このあたたかい、明かるいせかいは、

陽気にすぎて、なじめないんだ。


かぜをおこして、かぜにとびのり、

あなたをおいかけ、異界へゆきたい。


あなたをおいかけ、ゆきたい異界へ

わたしのしかくで、いけない罪ゆえ。




そしてわたしは、このばでこどくだ。

にどとあえない、ひとりの女性だ。


さいあいのひとを、おもいでにする

そんな大罪、わたしはおかした。




もう、いい!

もうしらない。




とにかくすて猫、

よくききなさいよ。


わたしは、あなただ

あなたとひとつだ。


いつまでだって、いつまでだって、

わたしは、あなたを、ひとりでも、待つ。


ひとりで待って、くさっていくなら

くさったわたしで、むかえてあげるね。


後悔しない、後悔しない、

わたしはわたしを後悔しない。






突風で

崩れる身体を抱きしめて

貴女は信じる 泣いてもいいのに






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ