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着のみ着のまま転生記  作者: 名波 和輝
55 魔人族の国
598/603

55.15 民の意思に反すれば


 にしても、なんで玉座の間なんだ?


 王と王が会談するのなら、もっと相応しい場所もあるだろうに。


 そう思いながらも、俺は裕也に言われた通りに玉座の間へと足を運び、そして、玉座に座した。


 玉座の間の扉が開く。


 ゾロゾロと大勢が玉座の間へと入って来た。


 ははーん。なるほど。100人弱ってところか?これだけの人数がいるなら、そりゃ応接室なんかじゃ収まり切らないわけだ。


 彼らには共通点が2つあった。


 彼らは全員疲弊していると言うことと、彼らは全員()()()であると言うことだ。


「まずは我々の亡命の受け入れ、感謝する」


 先頭にいた魔人王は、ぶっきらぼうに俺にそう言った。


 亡命?


 つまり、国を追われたってことか。


 それなのに、俺にこの態度ね。


 この尊大な態度は、俺も王として見習うべきなのかね?


 王たる者、誰にも(へりくだ)りはしないと言う強い意志を感じるぜ。


 で、そんな傲慢王の後ろには、貴族っぽい格好の人やら、メイドやら、兵士やらが連なっていた。


「いえいえ、困った時はお互い様ですよ。さぞ、お疲れでしょう。まずは身体を休めてください」


 俺はそう言った。そう、事情がわからないなりに、相手を気遣ってそう言ったのだ。


 だと言うのに、不思議な空気が漂っていた。


 俺、変なこと言ったか?


「感謝する」


 そう一言だけ述べると、魔人族の皆様方は玉座の間を後にした。


 俺、変なこと言ったっぽいな。

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