55.15 民の意思に反すれば
にしても、なんで玉座の間なんだ?
王と王が会談するのなら、もっと相応しい場所もあるだろうに。
そう思いながらも、俺は裕也に言われた通りに玉座の間へと足を運び、そして、玉座に座した。
玉座の間の扉が開く。
ゾロゾロと大勢が玉座の間へと入って来た。
ははーん。なるほど。100人弱ってところか?これだけの人数がいるなら、そりゃ応接室なんかじゃ収まり切らないわけだ。
彼らには共通点が2つあった。
彼らは全員疲弊していると言うことと、彼らは全員魔人族であると言うことだ。
「まずは我々の亡命の受け入れ、感謝する」
先頭にいた魔人王は、ぶっきらぼうに俺にそう言った。
亡命?
つまり、国を追われたってことか。
それなのに、俺にこの態度ね。
この尊大な態度は、俺も王として見習うべきなのかね?
王たる者、誰にも遜りはしないと言う強い意志を感じるぜ。
で、そんな傲慢王の後ろには、貴族っぽい格好の人やら、メイドやら、兵士やらが連なっていた。
「いえいえ、困った時はお互い様ですよ。さぞ、お疲れでしょう。まずは身体を休めてください」
俺はそう言った。そう、事情がわからないなりに、相手を気遣ってそう言ったのだ。
だと言うのに、不思議な空気が漂っていた。
俺、変なこと言ったか?
「感謝する」
そう一言だけ述べると、魔人族の皆様方は玉座の間を後にした。
俺、変なこと言ったっぽいな。




