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着のみ着のまま転生記  作者: 名波 和輝
3 魔法少女はより強く
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3.4 厄災再び


 結局、シロップベアーを70頭討伐して終わらせた。前の倍の数を討伐したのにも関わらず時間は短くなっていたので俺達の成長が感じられた。


 そして、今は街に帰るためにいつもの草原の道を歩いているのだが嫌な予感がする。場所も時間も前と同じなんだよな…。


 とか考えていると案の定だった。


 空が裂けて漆黒の穴が出来る。そして、漆黒の穴から化け物が出てきた。


 今回のキメラは体長3m程度。虎の体に馬の頭だ。もちろん額には赤黒い水晶の角が生えているので、頭の似た目はまるでユニコーンだ。角の大きさは前のキメラの半分程度であるので、前ほど強くないことが予想できる。


「ケンさん、来ますよ!」


「わかってる。今回はどう倒す?」


「凍らせましょう」


「結構大きいぞ、凍らせるのに時間かからないか?」


 俺とカレンが話していると、キメラが突っ込んできた。俺達は左右に分かれるようにキメラの突進を避けた。


「多分時間はかかってしまうと思います。でも、魔術を使う時とは違って私も戦闘に参加できるので状況の変化に対応しやすくなると思いますよ」


「わかった、じゃあキメラを凍らせる作戦でいこう。俺がキメラの攻撃を受け止めるから後ろから魔法を使ってくれ」


「はい」


 しかし、俺達の作戦とは裏腹にキメラはカレンの方に向かって突進して行った。


「《塞き止める地の壁 グランドウォール》」


 キメラの突進を防ぐように地面がせりあがって壁が出来る。


 キメラが壁に突っ込むと角が壁に刺さる。やはり あの角は頑丈だな。カレンの業火にも今の衝撃にも耐え得るほどの強度だから普通には破壊できないだろうな。今回のキメラは突進で攻撃をするから、その頑丈な角が武器も兼ねてしまうのがなんとも厄介だ。


「《ウインドナイフ》」


 俺が風の刃を飛ばすとキメラの皮膚がわずかに斬れる。この前のキメラほどではないにしてもやはり攻撃が効きづらいな。


 俺の攻撃が当たったキメラは壁に刺さっている角を抜いて俺の方を見る。そして次の瞬間、俺の方に突進してきた。


 俺はその突進を受け止めるもあまりの衝撃に剣が折れてしまった。


「カレン、今だ!」


「はい!《凍てつく究極の停止――》」


「「《フリーズ》」」


 キメラは頭と後ろ足の両方から凍り始める。


 30秒程でキメラの全身は氷に包まれた。


「《圧し潰す岩槌 ロックハンマー》」


 カレンが円柱状の岩をキメラの上に落とすと、凍り付いたキメラはばらばらに砕け散った。それでも赤黒い水晶の角だけは変わらずに残っていた。


 こうして2度目のキメラとの闘いもまた勝利で幕を閉じた。


―――


「今回のキメラは前よりも弱くて助かったな」


「そうですね、今回は2人共かすり傷さえ負っていないですからね。ところでケンさん、さっき良く『詠唱共有』のタイミング合わせられましたね。『フリーズ』を知っているとは思いませんでしたよ」


「ああ、カレンがまとめた魔法の記録は時々読んでいたからな」


「ケンさんは意外と勤勉なんですね。『詠唱共有』は詠唱と魔法名を覚えていないと使えませんからね」


「いやいや、たまたま覚えていただけだ。それに凍らせるといったら『フリーズ』だろうしな」


「なるほど(?)。あ、キメラの角を回収しないとですね」


「おっと、完全に忘れてた」


 俺達はキメラの角を回収した後、街へと帰った。


―――


 街に帰ったらギルドで即報告だ。


 今回の1人あたりの報酬は3万ブロンと175ポイントだった。


 キメラが小型だったからか、キメラの角の報酬は前回よりも少なくあまり良い稼ぎにはならなかった。


―――


 ギルドへの報告が終わった後はそれぞれ自由行動となった。カレンが何をするのかはわからないが、俺は俺で自分の用事を済ますとしよう。


 本当は用事なんてなかったがキメラに剣を折られたせいで余計な出費が増えてしまった。


 とりあえず、俺はギルドの2階に行ってみた。


 ギルドの2階には武器や防具、消耗品など冒険者に必要な物が売っている。一流の品はないが大量に作られた既製品が置いてある。既製品であるため性能は平凡だが価格は安い。


 今回はどんな武器を買おうかな。この間は何もわからなかったからバランスの良い剣を買ったんだったな。せっかく買い替えるんだから俺の戦い方に合った武器が良いよな。


 俺は基本的に攻撃を受ける役割だから刀身の幅が広い両手剣が良いかな。でも、それだと動きが遅くなるから、超能力「反射神経向上」が活かせなくなりそうだしな。おっと、今は「反射神経向上・上」だな。


 まあ、その超能力を活かすなら軽い剣の方が良いな。短剣とかレイピアとか。でも、それだと剣で敵の攻撃を受けられなくなるから大変なんだよな。


 待てよ。別に剣にこだわらなくても、槍や弓とかの新しい武器を使ってみても良いんじゃないか。


―――


 散々悩んだ挙句、俺は今まで通りの剣を買った。やはり今までの武器はバランスが良いし、使い慣れているからな。もっと金があれば職人に依頼して俺専用の武器を作って貰うこともできたんだが今はそこまでの金がないからな。


 次は防具でも買うか。防具と言っても鎧は重くて無理だからな。丈夫な服ぐらいで我慢しておこう。


 そんなわけで濃紺のコートを買った。素材になっているのは「ハードシープ」という硬い濃紺の毛を持つ動物らしい。その毛は硬いため防具に使われるのだが、加工が難しく作られた製品にはほとんど装飾が施されないらしい。よって俺が買ったコートにも装飾は全くない。まあ、ギルドに売っている安い品だから装飾がなくて当然といえば当然なのだが。


 結構買ったな、全部で7400ブロンだった。剣1本とコート1着でこの値段だからな。本当に冒険者は金かかるな。まあ、仕方ないから今日買った装備で明日からも冒険者活動を頑張って金を稼ぐとしよう。

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