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恋の「錯覚」?  作者: 林檎飴
3/3

初男子

 今日から授業が始まった。

 高校の時とは違い、大学の授業はほとんど寝れるらしい。なるほど、その通りだ。皆ほぼ寝ている。


 私は、性格は真面目というわけではないが、割と授業は真面目に受ける方だったので、少しガッカリした。けどまあ、大学なんてどこもそんなもんか、と思い、気を取り戻した。


 私は最後の5限の教室に向かい、適当に席に着いた。そして、授業が始まったと思ったら、いきなり席が近い人とペアを勝手に組まされ、自己紹介をしあおうというとてつもなく面倒くさいものが始まった。しかも、私のペアは前の席に座っている人だったのだが、男子だった。

 彼は、後ろに座っている私の方を向いて、それからお互い、よろしくお願いします、と軽くお辞儀をした。


「あ、じゃあ俺からやるね!相澤光一です。えーと、部活はバスケやってました。」


 おお、奇遇だ。私も中学からずっとバスケをやっていた。なんとなく親近感が湧く。そして私も自己紹介を始めた。


 「あ、小村華です。私もバスケやってたよ〜。サークルとかもう入ってるの?」


 「え、そうなんだ!入ってるよ!勿論バスケサークル笑」


 「おお〜、バスケ好きなんだね笑 私もバスケサークル気になってるんだよね〜」


 「えー!入りなよ!これから新歓とかもあるみたいだし、楽しそうだよ!」


 と、こうして私達はバスケトークなど色々と他愛のない話を繰り返していたら、あっという間に時間になり、相澤くんは前を向きなおした。中々話しやすい男子だな、と思った。


 そして、授業はいつの間にか終わっていて、相澤くんは帰りの支度をしながら立ち上がったのだが…私は彼を見て、ビックリした。


 この人、めちゃくちゃ背が高い。


 不覚にもドキッとしてしまった。私は、自分の背が低いからか、背が高い男子に少し弱いのである。180センチはありそうだった。けれどまあ、ドキッとしたというよりは、うおっ!こいつでけえ!という驚きの意味の「ドキッ」という感じだ。ときめきの「ドキッ」では、決してないな。


 そして、相澤くんはまた後ろを振り返り、私に、「じゃあね!」とだけ言い、私も「あ、ばいばい」と平凡な声で返した。

 

 相澤くん。バスケ。背が高い。


 うん、覚えた。

 そして、私も帰りの支度をし、駅に向かって歩く。


 そういえば、私はこの大学に入ってから男子と喋ったことがなかった。記念すべき初男子である。


 という事もあって、私の中で「相澤くん」は割と印象に残った。

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