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時とこね 時の詩

ヘンコウ線上の天使

作者: 時 とこね

海に浮かんでみる


心を水に溶かして

体を容器にして

頭を空っぽにして

海に浮かんでみる


普段は水の上にいる

今日は境界線にいる

いつもと違って

いつもと同じ


プカプカ動いて

頭を北に向ければ

両翼の記憶が

この背中に甦る


私は天使

日付変更線上にいる

世界で最後に夜を見送り

世界で最初に朝を迎える


昨日を明日に変えてく仕事

私はずっと間にいるから

私の今は

今日であって今日じゃない


昨日と今日と明日の真ん中

私はずっとそこにいる


だから誰かの笑顔を知るとき

同じく誰かの泣き顔を知る


どこかに楽しむ子供がいれば

病気にもがく老人がいる


苦心して肥えていく人間がいれば

安堵して痩せていく人間がいる


努力して報われない人がいれば

寝ているだけで報われる人がいる


働いても幸せになれない人がいるのに

幸せになりたくて働く人がいる


毎日忙しくて喘ぐ人がいれば

対して何もせずに忙しいと愚痴る人がいる


ねぇ、神様

神様は言ってましたよね

運命は決められているって


運命はどのようにして

決められるのですか?


運命は人間の幸福を

祈るものではないのですか?


運命は己の身で

変えられるものではないのですか?


誰も答えない

そんなことは知っていた


だけど私は

一人も救えない


願いを込めて

この両翼は世界に捧げた

西側には右の翼を

東側には左の翼を


翼をなくした私には

誰一人の下へも行けなくて


本当にごめんなさい

貴方を救うこともできなくて


こんな私でも

許してください


こんな私でも

誰かを想えた


こんな私でも

天使だったから


頑張ることはしたから

全部空っぽにして


陸の下に

海の中に

空の上に


私は

還っていく世界の境界





こんばんは。

あとがき書くのを楽しんでいる時 とこねと申します。


明日が来ることを祈ります。


ではでは。

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