登場人物紹介②
ここではフィゼル達の敵である“ワイズマン”のメンバーを紹介します。
◆ワイズマンNo.2“幻騎士”
フラン・ラドクリフ(27)
盲目の魔導師。ワイズマンの面々を束ねるリーダー的存在でもある彼は、彼らに下された『任務』を各人に伝える役目も果たしている。といっても、彼らを有無を言わさず従わせるだけの力があるわけではなく、あくまで便宜上のリーダーというだけに過ぎない。普段は任務以外の事には興味を示さず、冷静に遂行するだけなのだが、優れた魔導師と出会うとどうしても戦ってみたくなるという悪癖を持つ。ワイズマンの中ではレンを除けばシフォンを何とかコントロールできるのは彼だけで、シフォンが暴走しないように見張る役目まで押しつけられている。
◆ワイズマンNo.3“竜騎士”
ヨシュア・ブランズウィック(24)
個人としての戦闘力はワイズマンの中でも最も低いのだが、最強の魔獣――ドラゴンを操ることができ、使役するドラゴンの力がそのまま彼の力となる。その破壊力は群を抜いており、一人で一つの都市を壊滅に追い込むことも不可能ではない。デモンズ・バレーではガーランドと共にアレンと闘い、かなりの深手を負わせるまで追い詰めた。
◆ワイズマンNo.4“風神”
ロイ・ハワード(21)
荒れ狂う暴風の魔法と、流れるような剣技を武器にする魔法剣士。ワイズマンの多くが普段は身を隠しているのに対し、ロイとレインだけは公的に王国軍に所属しており、ディーン・グランバノアの側近として働いている。そのためフレイノールでの大規模な作戦からは外されていて、本人はやや不満そうだ。
◆ワイズマンNo.5“焔皇”
ギリアス・ヴォルテック(41)
“焔皇”の二つ名が示す通り、爆炎の魔法に長けた魔導師。フランやバネッサが暗殺などの隠密行動を専門とするのに対し、ギリアスはヨシュアやガーランドのように大規模な破壊活動を得意とする。自身の巨大な力に酔いしれ、その力を存分に振るうことだけが生き甲斐であり楽しみであるかのような破壊の権化。
◆ワイズマンNo.6“轟剣”
ガーランド・ドボルザーク(33)
身の丈ほどの大剣を自在に振り回す豪快な剣士。気性は好戦的で、戦いの中にのみ生き甲斐を見つけるタイプ。組織の思想などには全く興味がなく、ただ強い敵と戦えればいいと思っているようだ。デモンズ・バレーではアレンを追い詰めながらも、自身もかなりの深手を負い、ヨシュアの判断でその場は退くこととなった。
◆ワイズマンNo.7“氷の女王”
レイン・エルシード(18)
氷の魔法を操る若き女魔導士。王国軍に属し、ロイとともにディーンの片腕としてクーデターの成功に大きく貢献した。性格は冷淡で感情の起伏に乏しい。しかし組織の思想に心酔しており、その目的の成就が近付くにつれ、普段は見せることのない歪んだ笑みを浮かべるようになっている。
◆ワイズマンNo.9“死出の舞”
バネッサ・ウィル(28)
鋭利な切れ味を持つ鉄扇を武器に戦う女性。独特の衣装とあいまって、その姿はまるで艶やかな踊り子のようでもある。戦う姿も舞うように優雅で、思わず相手は眼を奪われる。しかしその舞には強力な催眠効果があり、見た者は幻覚に囚われてしまう。喋り方に独特の訛りがあり、可愛いものに目が無い。
◆ワイズマンNo.10“死告天使”
シフォン・アウスレーゼ(12)
まだ子供ではあるが、“特別製”と呼ばれる存在で、その潜在能力はワイズマンの中でもずば抜けている。まるで人形のように美しい顔立ちで、コロコロとした笑顔は正に愛らしいの一言に尽きる。だが武器である大鎌を振るい、その笑顔のまま躊躇なく人を切り刻む姿は、仲間からも畏怖されていた。フレイノールで出会ったフィゼルのことを『レン』と呼び、フィゼルが何も覚えていないと言うと、一転して殺そうとした。レン以外には心を開かず、不安定な精神状態の彼女を制御することは非常に困難である。