ラコジェ
これからライキは幼名から名を変える。ライキはラコジェと名を変えた。
その友達は既に名を変えてアルバートと名乗っている。幼名はミジャークと言った。
名は変えなくても良かった。だが、これからやることのためには名を変えたほうが有利になった。
ラコジェは幼い頃に大罪を犯した。とは言っても、名を変えたのは十五。まだまだ子供である。そして、名を変える必要があるのはこれから、戦いを起こすからだ。悪魔と人間との壮絶な戦いを。
勝ち方はあってもラコジェとアルバートの二人が全身全霊を賭けても民の協力なしでは世の中が成立しなかった。
これまで幾度も殺人が起こってきた。その理由は「悪」に犯されたから。その加害者たちは人々に死刑とされた。
「これ以上死んじゃう人が多くなると全滅しちゃうはずだよ、だから俺はそれを止めたいんだ」
そんなラコジェの言葉に胸を打たれてアルバートはその戦いに参加することにした。
「これからが戦いの峠……」
ラコジェたちの敵はラコジェを信じない者――いや、悪魔にとり憑かれた者や死者達だった。死者は「人形」に入り応戦を行った。
悪は術師を中心とし、広がった。ラコジェはある一つのこと以外はアルバートに相談し全てをさらけ出した。
それは『俺の悪は消しきれない』と。アルバートはそのことに全く気がつかなかった。
そして――五百年以上あとに同じことが起こった。