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魔王様の人間賛歌  作者: 招きつね
第1章
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〜転生〜

 ここはどこだろう?

 リヴェイ・アドバーグが死を受け入れ、意識を失ってからどれほど経ったか、彼は真白な空間で目を覚ます。

 安らかな感覚が全身を包み込み、心地が良い。

「そのまま寝転がったまま聞いてくださいね」

 どこから女性の声が聞こえる。

 普段なら聞き慣れぬ声など放っておかないが、この居心地良さのせいか、また死した後で抵抗する気が湧かないのかは、彼自身理解していない。

「貴方は残念ながら死にました。ご愁傷様です。しかし不幸中の幸いと言いますか、貴方が生前行っていた善行が評価され、貴方の願いは叶います」

「それは、人間と共存できる。ということか?」

「ええ、その通りです。おめでとうございます」

 その真偽が判らずとも、リヴェイはそれこそ飛び跳ねたいほどに嬉しかった。

 しかし身体は重く、動く元気がまるでない。

「貴方が人間界で生きていく上で、守って欲しい規則が幾つかあります。

 一つ目は魔力を極力使わない。明確な基準を説明することはできないので、注意、警告、制限、懲罰の順で対処させていただきます。

 二つ目は人間との戦闘は最低限に留める。これはわかると思いますが、貴方と人間が戦ったら結果は言うまでもありません。戦闘行為は最低限、最小限でお願いします。

 三つ目、生前のことを人間に知られないこと。これは厳守でお願いします。

 以上の三点が基本的なルールです。加えて今から暮らして頂く世界のルール、規則などは個人で調べてください」

「ああ、最善を尽くそう」

 リヴェイは弱々しい声で、それでも確固たる意志を告げる。

「では今から地球という星、日本という国で暮らして頂きます。くれぐれも先程の規則を破らないようにしてください」

「……問題ない。……こう見えて私は……平和主義だ」

 だんだんと瞼が重くなり、意識もはっきりとしなくなっていく。

「それでは、これから人間社会を謳歌してくださいませ」

 もはや返事すらできなかった。

 抵抗できぬ睡魔のような感覚を受け入れながら、リヴェイはこれから訪れるだろう素晴らしき日々を夢想する。

そしていつしが意識は落ちていった。


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