お手紙きました。
都会に住む友人から手紙が届いた。
元気か?仕事はどうだ?
結婚とかしたのか?
親のようなことを言う。
もう何年も会っていないし、元々が知人の会社の先輩が開いた合コンに数あわせで呼ばれ、その時一度だけ話しをしただけだ。
友人ではなく知人、もしくは赤の他人と言うべきか。
さて、そんな相手からわざわざ手紙が届いたのだ。
どうせ何かやらかしたに違いない。
借金で首がまわらなくなったとか、あるいは詐欺師にでもなってこちらを騙そうとしてるとか。
まさか結婚式の招待ではあるまい。
まあいい、続きを読めばわかることだ。
まあ俺の事なんて覚えているかも分からんが、
というか一回しか会ったことないしな。
そんなことはいい、率直に話す。
いま俺は派遣会社の社長なんてもんをやってるんだが、
どうも人手が足りなくてな。
要はうちで雇われて欲しいっていうことなんだが、
駄目か?
その気があるなら手紙に書いてある住所のとこに来てくれ。
いつでも歓迎する。
ふむ、詐欺ではないようだな。
なんて偉そうなことをいっているが、正直ありがたい話だ。
26歳にして会社が不景気で傾きリストラ。
いまは貯金を崩して仕事探しの毎日だ。
俺は藁にもすがる思いでこの話に乗った。