エピローグ4 世界
話し合いを終えた俺たちは、王様に夕食会に誘われたので、御相伴にあずかることにした。昨日と同じ部屋で、同じ面子+レイトン様という構図だった。
今回の席配置は、何故か俺の隣に姫様がいた。何故か姫様は赤い顔で俺の世話を何かと焼いてきて、それを見て王様はにやにや、レイラはこれまた何故か不機嫌になり拗ねる、といった光景が繰り広げられ、俺は食事の味をいつもより楽しめなかった。王族に世話を焼いてもらうとか、ある意味罰ゲームだ。遠慮しなければならないけど、断ると失礼にあたる。葛藤が辛かった。
この夕食会の席で、王様には話したことだが、姫様とレイトン様には話していないことだったので、今回の顛末について話した。鏡の中に入ったあたりで2人は大興奮していた。どうやら、こういった旅やスリリングな話が好きなようだ。顛末を話し、ひとまず事件が終息したので姫様は安心をしていいことも話した。
すると、そこから姫様はさらに俺の世話を焼くようになり、レイラは不機嫌に。本当にこれ、なんの罰ゲームだよ。
部屋に帰った後、レイラの機嫌を取るのが大変だった。最終的に、明日の買い物を一緒に見て回ることで何故か許してもらえた。……これは、荷物持ち確定だな。ストレージ万歳。
この約束をした後、逆にレイラは上機嫌になった。……女心と秋の空、か。
そんなこんながあって、今は就寝前。俺はベッドの上に寝っころがり、考え事をしている。
(あの天邪鬼が言っていた、『異世界は、重なっているけど、ずれている』。あれが気になるな。)
俺は、頭の中で、紙が何枚か重なっているのをイメージする。1つ1つが世界だ。
(俺は、今知っている世界は、『俺が生まれたところ』、『ここ』、『神界』、『鏡界』の4つだな。)
そして、この4つの世界は、どこか共通点がある。
(『俺が生まれたところ』と『神界』に『神』がいて、『俺が生まれたところ』と『ここ』に『妖怪』がいる。そして、『鏡界』と『ここ』が繋がっているように、『俺が生まれたところ』と『鏡界』も繋がっているように感じる。)
そうなると。この異世界への旅。これには、
(この『異世界の繋がり』が関係している?)
これは、そのうち、3人にも相談してみた方がいいかもしれん。俺1人だとダメだ。
俺はそう考えて寝返りを1つ打つ。ここで、俺は自分の顔がニヤついているのに気付いた。
(ああ、なるほど。『1人で背負わない』って、こんなにも気が楽になるんだな。)
俺は妙にすがすがしい気持ちで、そのまま眠りに入った。
短いです。
それと、やっと章の名前を決めました。




