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魔術師の異世界ラプソディー  作者: 木林森
7章 旅人達の安穏(カーム・エピソード)
111/166

閑話 言霊 修正版(笑)

これは以前に、操作ミスで投稿した96話「言霊」が丸ごと消滅した際に、穴埋めのために涙目になりながら内容を思い出しつつ書いたものです。こうしてみると、もとの言霊の方がやっぱり良かったですね。偶々データを保存して下さり、ご好意でデータを送って下さった方に最大限の感謝をこめてこの駄作を送りたいと思います(笑)

「さて、次は魔法についての話をしようか。」

 俺は3人にそう言ってにやりと笑う。

「まず、魔法に関する法則だな。魔法は、さっきの話の通り『魔力を使ってイメージ通りに現実を改変する』ものだ。じゃあ質問だ。魔法の発動条件は何だ?」

 俺はそういって切り出し、質問する。

「使う魔法相応の魔力がある事、しっかりイメージすること、その魔法に適性がある事、魔力をコントロールすること、そしてその魔法の名前をしっかり詠唱することですね。」

 レイラがすらすらと答える。

「そうだな、他にも、魔法に関して知っていることを言ってみてくれ。」

 俺はミリアとクロロの方を向いて問いかける。

「えっと、魔法の名前は初めに開発した人がつけるのと、その名前は魔法の効果を表していることが多いこと。火、水、地、風、天空、地底、聖光、暗黒、そして無属性の9つの属性があることね。それと……属性の適正には個人差があって、基本的に、後天的についた適性は弱いことね。」

「それと、装備に魔法が付与されている場合はその属性が合えば魔法限定で無詠唱で使える事。下級、中級、上級の3つの段階に分かれていて、その中でも難易度がまちまちなこと、今のところ広く普及しておらず仕組みが不明な魔法は超上級魔法と呼んでいること、とこれくらいかな?」

 2人もすらすらと魔法の知識をリレー形式で答える。一部を除いて、ある程度のレベルの冒険者なら知っていて当たり前の知識だ。

「さて、じゃあここで質問だ。何故、大体の魔法には詠唱が必要なんだ?」

 俺はまた3人に問いかける。

「確か……それはまだ不明ですね。」

「いくつかの仮説はあるけど、どれも根拠に欠けるんだ。」

「魔法研究学会でもこれといった理由は明かされていないわね。」

 3人の答えは一様に『不明』ということばを示している。

「そう、俺はそこがなんともしっくりこないから、かなりすごい魔法の先生を用意したぞ。」

 俺はそういって、ストレージで焔帝の杖と嵐王の短剣を取り出す。

「2匹の龍だ。こいつらなら、長いこと生きているからうまく説明してくれるだろう。」

『うむ、話の大筋はアカツキを通じて伝わっておる。』

『ワイは説明苦手やから補助に回るで。』

「なるほどね、確かに適任だわ。」

 ミリアが納得したように頷いた。

『で、何故魔法の使用にその魔法の名前を詠唱するか、だな。そうだな……ミリア。』

「ん?何?」

 イグニスは少し考えた後、ミリアを呼んだ。ミリアはそれに反応する。

『ミリア、お前は今、我に呼ばれて自分の事だと思い、返事をしたな?』

「う、うん、したけど……?」

 イグニスの言葉の意味を計りかねて、ミリアは首をかしげる。

『このように、『名前』とは認識を決定づけるうえで、とても重要なものだ。例えば、我らが何も知らない状態で、ミリア自身がアースラと名乗れば、我らにとってミリアはアースラになる。たとえ本名がミリアだとしてもな。』

「で、それがどうかしたの?」

 クロロは首をかしげたまま次を促す。

『つまり、『名前』はそのものを表すものだ。始めに開発され、名前を付けられるまでは不安定なものになるが、名前を付けられることで存在はより強固なものとなる。それだけ、名前というものは重要なのだ。』

 イグニスはここでいったん間を置き、また話し始める。

『魔法を習う際、魔法の『効果』と『名前』を教えられるだろう?または実演してもらう事もあろう。そうやって、魔法の効果と名前を刷り込まれ、『そういうもの』だと記憶するのだ。認識と記憶は、イメージを強くするうえでとても重要なもので、それらを強く表現するのが名前というわけだ。』

「あ、つまり……。」

 レイラがはっとしたような顔をして、そう言葉を漏らす。

『そして、それを言葉に出してイメージをより強固なものとし、魔法を使用するのだ。口に出す、と言うのはそれだけで印象や記憶やイメージを強固にするのだ。』

 なるほどな。俺の世界で言う『言霊』ってやつだな。言葉には、力や意味や意志が宿る、という考え方だ。例えば、俺には縁のないことではあるが、教科書を暗記する際はただ読むよりも、読み上げる方が記憶に残るらしいからな。

 ちなみに、この『言霊』は魔術にも応用されている。例を挙げると『式神(式紙)』や『鐘と鈴はどちらもBELL』とかだな。

「そうなると、無詠唱魔法はどういった仕組みなんですか?」

 レイラがイグニスに質問する。

『魔法を繰り返し、何回も使うことによってイメージが記憶に刷り込まれるのだろうな。剣の素振りのようなものだろう。それでも、言葉に出せないと言うのは難しく、熟練の魔法使いがやっと適正属性の下級か中級魔法を無詠唱で使えるぐらいだろう。我ら龍の場合は、それぞれの属性に強く精通しておるから、それぞれの属性のみなら全部無詠唱で使用できる。』

 イグニスはそう答えた。

『アカツキの場合は全属性全部の魔法を無詠唱で使用できるが、それは魔術の訓練のおかげだろう。どうやら、幼いころから無詠唱である魔術の訓練をしているらしいし、しかも想像力が高いから、無詠唱でもイメージは固いのだろう。それでも、魔法書に書いてある名前と情報だけで無詠唱で出来るのは恐ろしいことだな。』

 最後に、俺に関する補足を入れて、イグニスは説明を終了した。

いやあ酷いもんですね。見比べると内容も所々抜けているし、今からすれば笑い話ですが当時は涙も出ませんでした。ある意味この夏最大のホラーです。

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