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魔術師の異世界ラプソディー  作者: 木林森
7章 旅人達の安穏(カーム・エピソード)
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鉱山に向けて

短いうえに、いいタイトルが思い浮かびませんでした。

追記・変な表現を修正いたしました。

 あの後、俺たちは歩きながら、鉱山について話し合った。レイラとミリアは、最初は顔を赤くしてぎこちなかったが、今はもとに戻っている。最終的に、行くことが決定した。

 どうも、あの店主の口ぶりからして何かルールがありそうだったので、それについて調べるために、今は図書館に来ている。レイラたちはそれぞれの買い物をしにいった。レイラは矢の補充(先ほどは急いでいたため用事だけ済ませたそうだ)、ミリアとクロロは専用の砥石を買いに行った。というのも、2人が使っている剣は物が良すぎて、普通の砥石では手入れできないのだ。よって、専用の砥石が必要になるのだが、これが1つ金貨1枚と随分高い。しかも、1回手入れするごとに使い捨てなのだ。幸い、俺たちは大分リッチなので、金には困っていないが、中途半端な冒険者がいい剣を使っていても維持費が持たないだろう。

 それで、鉱山のルールについてだが、『鉱山あれこれ』という本を調べたらわかった。

 鉱山は、許可さえあれば出入りできる。近くの町のギルドか、はたまた現地で依頼を受けることで中に入ることが出来る。依頼の内容としては、採掘の手伝いだ。報酬は歩合制で、現金か、はたまた依頼によって決められた鉱物かで決められる。基本的に、採れた量の3割ほどを貰えるそうだ。

 魔物と戦わない分危険は少ないと思われがちだが、落盤やたまに起こる爆発、その他もろもろの事故に巻き込まれても自己責任になるため、一概にはそうとは言えない。また、魔力を吸った鉱物がゴーレムという魔物になる場合があるため、そのあたりも危険だ。鉱山夫たちでは太刀打ちできないため、こちらは冒険者に退治の依頼が出されることもある。大体、質の良い鉱物がとれるところほど強いゴーレムが出る。ちなみに、鉱山ごとに、入れる基準が決められており、質の良い鉱物が取れるところほど高いランクが求められる。ミスリルが採れる鉱山なんかは、ランクAだとしても、単体では厳しい場合がある。これは、ゴーレムがとても強力な場合が多いからで、最低ランクはA、場合によってはSに分類されることもある。

 といった感じだ。採れた量の3割も渡して採算が取れるのかは疑問だが、注釈に『例えSランクでも、プロである炭鉱夫よりは効率が断然落ちる』と書いてあることから、そう多く持って行かれるわけでは無いのだろう。となると、何故冒険者を手伝わせるという非効率的な方法があるのか。それも本に書いてある。

 上記のとおり、採掘中にゴーレムが発生することもあり、そうなると採掘も出来ないし、炭鉱夫では太刀打ちできない。しかし、冒険者がいればその人に討伐、または時間稼ぎや調査を頼めばよいのだ。採掘手伝いの依頼は、大体これらの義務が課せられている場合が多い。また、貴重な鉱山は騎士や高ランクの冒険者が見張りや護衛として雇われる場合がある。

 ちなみに、ゴーレムを討伐した場合、採掘手伝いのついでなら7割、討伐依頼や無関係だけど手伝った場合は全部貰える。となると、ゴーレム討伐は鉱物が欲しいなら相当美味しい依頼となる。しかし、ゴーレムの性質や、戦闘の舞台などからとても危険が多いため、受ける冒険者はあまりいない。

 と書いてあった。全体的に見て、中々リアルな制度だな。本を読むだけでも生々しさというか、現場の大変さが伝わってくる。たまに起こる爆発は粉塵爆発だろうが、この科学が発展していない世界では原因が分からないのだろう。

 さて、ルールも分かったし、昼飯を食い終わったらギルドに向かうとするか。

             __________________

 3人と合流し、ギルドで昼飯を食べた。おやきがいつの間にかメニューに並んでいて、しかも結構人気になっている。具もちゃんとしっかりしていたから、中々美味しかった。おかげで、俺はこの街のギルドなら飲食が無料になった。

 それはさておき、昼飯を食い終わったら早速依頼の確認だ。掲示板を見ると、目当てのものがあった。

 ・オブルエ鉱山にてミスリル採鉱の手伝い。報酬は歩合制。詳しいことは受付にて。

 と書かれていた。Aランクの掲示板に貼ってあったことから見て、ミスリルの鉱山の危険さがうかがい知れるな。

「すみません、この依頼をお願いします。」

「分かりました。ではギルドカードを拝見します。」

 俺たちはギルドカードを渡し、受付嬢は確認する。

「はい、大丈夫です。」

 そういって、俺たちにギルドカードを返してくる。この後、一応詳しいことを聞いてみたが、大体がさっきの『鉱山あれこれ』に書いてあったことと同じだった。完全に2度手間だったな。有用な情報と言ったら、オルブエ鉱山の場所が聞けたことだ。この街の西にあるらしく、馬車で5日ほどかかるそうだ。

「うーん、方向的に、このまま首都に向かった方が楽なんだけどな。でもこっちで装備製作の依頼を出しているから、戻ってこなきゃいかんな。」

 ちょっと面倒くさいが、仕方のないことだ。

「それよりも、クロロさんは盾も鎧も無いのに大丈夫ですか?」

 レイラが心配そうにクロロに問いかける。

「あー、確かにそうね。場合によってはミスリルゴーレムと戦闘になるから心配ね。」

 ミリアもクロロを見てそういった。

「やっぱりそうかな?だったら、さっきの買い物の時についでに買っておけば良かったかな?」

 クロロは、失敗した、とでも言わんばかりに顔を顰めてそういった。

「用心にこしたことはないだろ。適当に見繕ってくればいいじゃないか。」

 俺はクロロにそう提案した。

「……そうだね。ちょっと勿体ないけど、お金は沢山あるし。」

 クロロはそういって超容量鞄を撫でた。

追記・ホラー企画に予告を投稿しました。19番です。

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