遊園地(お弁当)
それから3人(+1人)はのこのこメリーゴーランド・空飛ぶコースター・比較的絶叫の少ない冒険の乗り物など、なんだかんだ思いっきり楽しんだ。
そうして時間もあっという間に過ぎ、気がつけばお昼の2時。
「そろそろ腹減ったなぁ」
と遥が遊園地の時計を見て2人に向かって言った。
「もうこんなに時間が経ってたんですね」
奈津もそれを聞いて時計を見る。
「じゃあそろそろお弁当食べようか!」
透はそう言うと座れる場所を探し始めた。
「えっ、何でお弁当あること知ってんの?」
サラッと言った言葉に遥が驚く。
「だって、なっちゃんが水筒出したときに言ってたでしょ?『お弁当のカバンの中に水筒も入れてきた』って。それに普段カバンを持たない遥がそんな大きなもの持ってたら、誰だって気づくよ」
透は平然と答えた。
「でも私、そんなにたくさん作ってきてないですよ?」
「大丈夫。足りなければそのときにワゴンで何か買えば良いよ。……あっ、ここで良いんじゃない?」
話しながらテーブルもあるベンチを指差した。聞いてはいるが、答えを聞く前にすでに座ろうとしている。
「……透さんって、マイペースですね」
「あいつは出会ったときからずっとこんな感じだよ」
遥と奈津は、透に聞こえないくらいの大きさで呟いた。