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遊園地(ワゴンにて)
「けど彰、アイス食べれるの?(幽霊なのに……)」
食べ物など売っているワゴンに着き、列に並びながら奈津はお弁当作りのときから思っていたことを口にした。
『そりゃあ!!……食べれないけど……でも雰囲気が大切だろ!』
少し落ち込みを見せた後、すぐに立ち直ってそう答える。
「雰囲気……」
『な、なんだよ。せっかく来たんだから、幽霊でも楽しまないと損だろっ!』
「まぁ、それもそうだねっ」
そんな会話をしていると、ふと奈津は突然思い出した。
「あっ!!」
『わっ!?び、びっくりしたなぁ……いきなりどうしたんだよ?』
突然の大きな声に、彰は胸に手を置きながら問いかけた。
「ジュース買ってくるって言ったけど……お弁当入れているかばんの中に、水筒も入れてきてるんだった……あぁ~……」
思わず後悔のため息が漏れる。
「……しょうがない。アイス3人分買っていくか」
奈津はすぐに思い直し、順番がくるとバニラ・チョコ・ミックスとそれぞれ買うことにした。
『やったーっ!!アイス3っつ!!』
その光景を見ながら、隣ではピョンピョン跳ねながら喜んでいる彰がいた。