遊園地(ジェットコースター)
「みんな、ありがとう。おかげで鳥達から逃げることが出来たよ」
その言葉と共に乗り物の動きもゆったりとした速度に変わる。気がつけばいつの間にか地下にいるようで、暗い洞窟の中、少しの明かりと共に進んで行く。するとどこからか陽気な歌声が聞こえてきた。
「「俺らは洞窟の中の勇者~♪こっわいものなんかひっとつだってないんだぜ~♪」」
近づくとつり目の目をした鉢巻きを巻いたきのこ達が一斉にトンカチで地面を掘ったり、石を運んだりしている。
「おっ、きのこ坊や。ここにくるなんて珍しいじゃねいかい」
その中の1人が私達に気づいて話しかけてきた。
「きの大工さん。今、僕の妹なめこを探しているんだ。見なかったかい?」
「あぁ、なめこならこの奥にいるぜい。きのこ宝石を見に来たんだってよ」
「そうなの!?ありがとう。行ってみるよ」
会話を終えるとまた前へと進みだした。
「きのこ宝石というのはね、最近初めてこの場所で見つかった、きのこの形をした七色に輝く幻の宝石なんだ。なめこはそれがみたかったんだね」
とその中で説明をしてくれた。
「あっ、なめこ!」
薄暗かった洞窟の中が、七色の光でいっぱいに変わる。その中央に幻の宝石、きのこ宝石はあった。
「おにいちゃん!」
その宝石の隣で、見惚れながらたたずむきのこ、彼女が探していたなめこであった。
「やっと見つけたよ。なめこ、たくさん探したんだからね」
「ごめんなさい。どうしてもなめこ宝石が見たくて」
「次からはちゃんと言ってから出かけるんだよ?」
「分かったわ。おにいちゃん」
感動の再会、これで終わりだと誰もが思った瞬間、頭上から声が響き渡ってきた。
「ハッハッハッハッハッ」
2人も辺りを見回す。
「だ、誰だ!?」