遊園地(入場)
少しギクシャクした雰囲気の中、3人(+1人)は遊園地の中へと入った。
「やっぱり休日だから人が多いねぇ。何から乗ろっか?」
雰囲気とはお構いなしに、透はテンション高く2人に話しかけた。その横で、
『何乗ろっか!?やっぱりここはジェットコースターからだな!!』
と彰がやはりテンション高く答えている。まぁ透に届いてはいないのだが。
どうやら先ほどの透との会話は聞こえていない様子だ。そのことに奈津はとりあえず安堵した。それと共に
「せっかく遊園地に来たんだもん。ずっと楽しみにしてたみたいだし……どうせなら皆で楽しまないとだよね」
と今は気持ちを切り替えることにした。
「今何か言ったか?」
遥は聞こえていなかったようで首を傾げた。
「いえ、こっちの話です。それより私、最初はやっぱりジェットコースターに乗りたいです!」
奈津は元気良く2人に提案をした。
いきなりのテンションの違いに2人は少し驚いた様子だった。しかし、
「だって、遥」
「べ、別に俺は良いけど」
と笑顔で答えてくれた。
「そうと決まれば、早く行きましょ!きっともうかなりの行列できてますよ!」
奈津は嬉しくなり、そう言うと2人を措いて走りだした。もちろんテンションが高いままの彰も共に走り出している。
「ちょ、待てよ!」
2人は慌ててその後を追いかけるのであった。