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CHANGEの仕方  作者: 桜もち
14/43

忘れてた

「えっと……」


奈津は忘れていた。


「さぁ、今度は逃げ出さずに頑張るよ」

「おぅ」


「奈津…ちゃん?」


透の存在を。


「…おーい!」

「えっ?」


やっと声に気づき、思わず振り向くと、苦笑した透が立っていた。


「あ…」

「もしかして、忘れられてた?」

「えっ!?いや、その、えっと……」

「……」

「ごっごめんなさい!」


奈津は言い訳も思いつかず、素直に謝ることにした。

すると透は一つ息を吐くと、


「いいよ。大事なことだったんでしょ?」

「…はい。私にとってはとても」

「うん。じゃあ許すよ」


と答え、いつものキラキラの笑顔を返してくれた。


「あ、ありがとうございます」


わわわ!3日ぶりに見る透さんの笑顔、眩しすぎるよぉぉぉ!


奈津は思わず眩しさと幸せさで目を細める。

しかし、そんな思いも束の間。奈津にふとある考えが浮かぶ。


んっ?

ちょっと待って。透さんはずっとここに居たんだよね。私と彰の会話を聞いていた。・・ずっと?しかも彰は幽霊・・・・・・・・・・・・・ってことは、


「透さん…さっきまでの私の会話…」

「うん。もちろんぜんぶ聞いてたよ」

「私の…声……だけ?」

「うん。迫真の演技」


やっぱりぃぃぃぃぃぃ!!!!!?????私、絶対変な子だって思われちゃったよねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?????………………ショックだ………………。


思わずうなだれる。

しかし、その様子を真っ直ぐみたまま透は言葉を続ける。


「でも、違うんだよね?」

「…えっ?」

「誰かここにもう一人いるんでしょ?僕には見えないけれど」

「…どうして」


優しい笑顔を浮かべて透は答える。


「だって、奈津ちゃんは演技や嘘がつけないでしょ?この間、初めてたくさん話したとき思ってた。それにさっき謝ってくれたことで確信に変わったしね」


うれしい。こんな風に私を見ていてくれていたなんて。


素直にそう思った。

奈津は胸が暖かくなるのを感じ、彰の方を向き小声で言った。


「ねぇ、彰」

『何?』

「…透さんになら、彰のこと、言っても良いかな…?」

『あぁ。透兄ちゃんなら、許してやる』

「なに、その上から目線」


思わずクスリと笑う。


「ありがとう」


奈津は彰にお礼を言うと、透に向き直り、


「…透さん。聞いてほしいことがあるんです」

「?」

「……良い、ですか?」

「うん、もちろん」


ゆっくりと自分と彰の出会いのことを話し始めた。


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