彰がいなくなって
あの日以来、彰は姿を消したまま、三日が経った。
「はぁー……」
どこに行っちゃったんだろう?やっぱり傷ついちゃったよね。私はどうしたら・・・。
「どうしたの?」
「……理紗」
振り向くとクラスメイトであり、一番の友達である理紗が心配した顔で奈津を見ていた。
「この三日、ため息ばっかりだよ?」
「うん……ちょっとね」
「なにぃ?この親友である理紗様に言えないことがあるというのかぁ?」
理紗は少しおどけたように言った。
ううーん・・言いたいけれど、でも幽霊なんか信じてもらえるのか・・・
「ううーん・・言いたいけれど、でも幽霊なんか信じてもらえるのか……だって、毎日私の王子様に会いに行っていたら突然幽霊の男の子が現れて、頼まれ事をされて、でも言わなくちゃいけない相手は超ーーーーーーーーーーーーーー嫌な奴で、でもそいつは弟のこと忘れてて、そしたら弟は姿消しちゃってわーーー!!!みたいななんて言えないよ!!!」
「いや、めっちゃ言ってるし」
「・・・えっ?」
奈津は心の声をそのまま声に出して理紗に話してしまっていた。
「でも色々話がむちゃくちゃになってたから、もう一回整理しながら話して。なにか役にたてるかもだし。ねっ?」
「う、うん」
こうして奈津は自分の頭の中を整理しながら、もう一度話し始めた。