26年5月第2週 政治・経済ニュースベスト5 【イギリス二大政党大敗 SNS規制 東電持ち株化計画 責任の擦り付け合い 外交ウィーク】
『 』の中が記事の引用、⇒ 以降に僕の意見が書いてあります。
第5位 『東京電力HD、6月中に提携企業を数社に絞り込みへ…持ち株会社も視野』
5月6日読売新聞の記事
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20260506-GYT1T00020/ より
『東京電力ホールディングス(HD)が、3月末まで募集した提携企業を6月中に数社に絞り込むことがわかった。外部資本を入れて共同で事業を進める企業連合を組成することで収益力を高めたい考えで、原子力発電以外の事業を手がける中間持ち株会社の設置も視野に入れている。
東電HDは1月に認定された再建計画で、福島第一原発事故に伴う廃炉費用の捻出などに向け、外部企業の出資を受け入れる方針を盛り込んだ。3月末まで募集し、脱炭素やデータセンターなどの分野を中心に数十社が応募した。
応募した日本企業は、ソフトバンクや東京ガス、日本産業パートナーズ、ENEOSHD、電源開発、大阪ガスなど。米KKRや米ベインキャピタル、米ブラックストーンなど海外ファンドも名乗りを上げ、東電HD幹部は「海外勢の豊富な資金力は魅力的だ」と受け止める。
応募した企業の提案には、外部企業による中間持ち株会社への過半の出資や、東電HD株の非公開化も含まれており、東電HDは各社の提案や意向を精査して提携先を決める方針だ。
ただ、外国為替及び外国貿易法(外為法)は、海外企業が電力会社の株式を取得する際は、政府による事前審査を定めている。東電HDは、外資と提携する場合、重要な経営事項に関する拒否権を持つ株式「黄金株」の発行も検討し、安全保障上の懸念に対応する。
東電HDは、提携先を絞り込んだうえで、年内に企業連合の中心となる1社を決め、来年6月の定時株主総会までに組織再編の全体像を固めたい考えだ。』
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そもそも議論すべきこととしてこういった全国民に影響が出そうなインフラは民営化する必要はあったのか? と言う点です(電力は1951年に日本発送電を民営化、2016年に小規模の会社の参入を可能にして消費者が選択可能に)。
民営化したからと言って東京電力の杜撰な体制は変わらず、公営化して外部から監査を受ければ良いだけだと思います。
記事にあるように「海外勢の豊富な資金力は魅力的だ」というしょうもない理由で事実上、外国に日本の電気を売り渡そうとしているのです。
民営化と外資参入は自ずと「稼ぐこと」に特化していき、それは「国民から搾り取る」ことを意味します。特に東電に関しては日本国内のみに対する営業ですから、なおさらその構造は顕著でしょう。
こうして国民は貧しくなっていくのです。
民営化だの規制緩和だの世間一般的には良さそうに思える用語に惑わされず、その結果何をやってきたのか、何が起きてきたのか冷静に分析していく必要があると思います。
第4位 『選挙時の誹謗中傷対策 与野党が連休明けに法改正検討入り 事実認定の「即時性」が焦点』
産経新聞5月4日の記事
https://www.sankei.com/article/20260504-564V34X6KVIOBACIQXI22IT5RU/ より、
『与野党は選挙期間中のSNSでの偽・誤情報や誹謗中傷の拡散対策について、5月の大型連休明けに関連法改正の検討に入る。今国会での法案成立を目指す方針だ。SNS時代の選挙では虚偽情報の拡散が選挙結果に影響する懸念がある。営利や売名目的の発信者による「有害投稿」も散見される。「表現の自由」との兼ね合いも踏まえ、検討の行方が注目される。
SNS規制については2月の衆院選後、与野党が参加する選挙運動に関する協議会で議論が進んでいる。協議会では動画投稿サイト「ユーチューブ」やXなどの運営事業者から意見を聴取。4月27日の会合で、5月中に規制法案の骨子を取りまとめる方針を確認した。規制の必要性は与野党で共有されており、来春の統一地方選を念頭に今国会での成立を目指す。
出席者によると、有害投稿の監視や削除などに関する事業者責任のさらなる明確化、選挙に関するSNSの適正利用義務といった利用者のルール整備が法案の柱となることが想定される。誹謗中傷への対応なども含めた法整備では、違法・有害情報への事業者対応などを定めた情報流通プラットフォーム対処法や公職選挙法の改正が検討されるという。野党幹部は「議論が拡散しないように、論点を絞ったほうがいい」と語る。
選挙とSNSをめぐっては、選挙期間を中心に特定の候補者や政党に関する過激な内容を投稿する「炎上商法」もみられる。動画などの閲覧数を稼ぎ収益を得る「アテンション・エコノミー」がビジネスモデルとして定着する中、注目を浴びる刺激的な内容には虚偽や真偽不明の情報が含まれやすい傾向があるとされる。
もっとも誹謗中傷などを含む投稿の発信には、刑法の名誉毀損罪や侮辱罪が適用され得る。公選法も候補者に関する虚偽情報の公表について罰則を設けている。ただ、即時性という観点では事実認定に一定の時間を要し、短い選挙期間中に対応するのは難しい。2月の衆院選で落選した野党ベテランは「選挙後にウソが証明できても、後の祭りだ」と指摘する。
一方、SNS利用に対する規制強化は、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いで慎重な線引きが求められる。自民の閣僚経験者は選挙とSNSの在り方について「モラルによるところが大きい」としつつ、法規制は「今後も試行錯誤を繰り返していくことになる」と語る。』
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選挙中の規制と言うのは遅かれ早かれ起きてしまうことになるのかな? というのが正直な感想です(今もシャドーバンみたいなことが起きていますけど)。最低でも選挙中の収益が下げられるなどの措置はあると思います。
選挙結果が変わりかねないような事実無根の情報が流布されるという事が一番恐れるべきことだというのはやむを得ないでしょう。
しかし、それは表向きの名目であり「政府側に都合のいい情報」を流し、「不都合な情報はたとえ正しい情報でもデマや外国勢力の介入と断言して終わらせる」と言った手口を政府は本当は使いたいのだと思います。
そうなると、言論で政治を変えたいと考える僕のような人間としては、選挙期間中だけでなく、それ以外の期間に地道に積み重ねるしか無いのかなとも思いましたね。
第3位 『28人死亡の熱海土石流災害の責任どこに…県も市も前所有者も現所有者も法的責任否定、防災対策押し付け合い』
読売新聞5月5日の記事、
https://www.yomiuri.co.jp/national/20260505-GYT1T00020/ より、
『静岡県熱海市で盛り土が崩れ、28人が死亡した2021年の土石流災害で、県や市、県の指針を超える高さの盛り土が判明した10年当時の土地所有者(前所有者)、災害時の土地所有者(現所有者)の4者は、いずれも法的責任を否定している。
遺族らが県などに損害賠償を求めた訴訟は続いており、法廷での4者の主張や裁判資料などからは、防災対策を押し付け合い、有効な手立てが講じられなかった構図が浮かび上がる。
◇盛り土
県が設置した第三者委員会の報告書などによると、前所有者は高級別荘地を開発するとして土地を買い、07年に盛り土の計画書を市に提出した。川の源流にあたる山間部の斜面に土砂が積まれ、10年8月に市が確認したところ、盛り土の高さは約45メートル。県指針の3倍に達していた。産業廃棄物も交じっていた。
土石流は21年7月3日午前10時半頃に起きた。25メートルプール(幅12メートル、水深1メートル)185個分の5万5500立方メートルの土砂が崩れ、一部は約2キロ先の海まで流れ下った。午前10時までの72時間雨量は市内で461ミリ。観測史上最大だった。
訴訟では、前所有者と現所有者がそれぞれの主張を展開している。
前所有者は今年2月に出廷。11年2月に土地を売っており、それ以降は現所有者に管理責任があると強調した。現所有者は訴訟の答弁書で、購入時は盛り土の存在を知らず、前所有者から盛り土の量や工法について説明を受けていなかったと主張。今年3月の尋問では「(崩落は)予想していなかった」と述べた。
◇お見合い
行政の対応はどうだったのか。県は07年、1ヘクタール超の土地で無許可開発が行われていると判断。森林法を適用して前所有者に盛り土を中止させた。1年をかけ、森林面積の回復や土砂の流出防止措置も実施させた。
だが、その後に盛り土は再開された。前所有者は09年11月、盛り土した土地を1・2ヘクタールとする図面を市に提出した。
これ以降、市は県に、県は市に対応を委ねる姿勢を示し、対策が進まない「お見合い」が起きた。
市は盛り土の面積が1ヘクタールを超え、森林法の適用要件を満たすと判断。09年12月と10年11月、森林法の再適用を県と協議した。これに対し、県は09年12月、「図面は信ぴょう性に欠ける」として適用しない考えを市に伝達。11年3月にも、市で対応するよう求めた。
県職員は尋問で、「1ヘクタール超」に合致する明確な根拠がなかったと説明。市に正確な面積を調べるよう求めたが、報告がなかったと主張した。
原告側の杉田峻介弁護士は「県は面積を確認できなかったのではなく、確認しようとしなかっただけだ」と批判する。
◇チャンス逃す
県との協議が不調に終わった後、市は県条例に基づく「措置命令」を検討し始めた。土砂の撤去などを命じることができるものだ。
前所有者は土地を売却した後も、書類上は盛り土を申請した事業者となっていた。このため市は11年6月、措置命令を出す方針を前所有者に伝えた。
だが、実際の発出は見送った。前所有者が土砂搬入の中止と防災工事を約束したためだ。県指針に沿って盛り土を低くするよう命じることもなかった。
原告側の池田直樹弁護士は「土石流を防ぐ最後のチャンスを逃した」と語る。実施された防災工事も「小規模で簡易な工事で十分ではなかった」と批判する。
土石流は今年で発生から5年。母を亡くした田中彬裕さん(37)は「原因を作った人、被害を防げなかった人に怒りを感じる」と語気を強める。』
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21年に28人の方が土砂災害で亡くなった大惨事の責任が5年経っても未だに決着がついていないという二重にも三重にも悲劇が積み重なっている一件だと思います。
今回の一件は正直なところ前所有者、現所有者、市、県の全てに責任がそれぞれあるので誰かが100%と言う状況では無いのだと思います。
盛り土を許可なく始めた前所有者は問題外として、現所有者も買ってから10年近く所有していて問題を全く把握していないとはとても思えませんし、県や市も盛り土を強制的に前所有者に排除させなくてはいけなかったでしょう。
しかし、このような悲劇が起きても補償や解決まで時間がかかり、賠償を受けられても心身が疲れ果てているという惨事と言えます。
こうなると地盤が弱いところ川の近いところなど危険なところに住まないことがまず大事で、
通りがかかったところで悲劇が起きてしまったのであればもうどうしようもないと言わざるを得ない状況だというのが今の日本の現状なのかなと思います……。
第2位 『日豪共同宣言、強靭な供給網を経済安保の「中核」位置付け…高市首相「今や準同盟国とも言える関係」』
読売新聞5月4日の記事
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260504-GYT1T00132/ より、
『高市首相は4日、オーストラリアの首都キャンベラでアンソニー・アルバニージー首相と会談した。両氏は、覇権主義的な動きを強める中国やイラン情勢への対応を念頭に、重要鉱物やエネルギーの確保、防衛協力などを巡るさらなる関係強化を確認した。会談後、経済安全保障に関する共同宣言を発表した。
高市首相は会談で、「国際情勢が複雑になる中、同志国連携の重要性を訴えてきた。豪州はその(連携の)トップランナーだ」と述べた。アルバニージー氏は「難しい世界経済の状況下で2国間関係がますます重要だ」と強調した。両首脳は、中東情勢の早期沈静化に向け、緊密に協力していくことで一致した。
共同宣言では、強靱なサプライチェーン(供給網)などを両国の経済安保の「中核」と位置付けた。レアアース(希土類)などを武器に経済的威圧を強める中国を念頭に「重要鉱物に対する輸出規制に強い懸念を表明する」と明記した。
会談後の共同記者発表で高市首相は、新たな「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)構想の実現に向けた取り組みを両国で進める考えを表明した。両国関係に関し、「今や準同盟国とも言える関係を築いている」とも述べた。
豪政府が、海上自衛隊の「もがみ型」改良型護衛艦の導入を決めたことを踏まえ、アルバニージー氏は「調達を基盤に防衛産業の連携深化につながる」と語った。
共同宣言とは別に、共同文書も発表した。エネルギー分野では、石油関連製品の供給網の強靱化を進めることを確認した。安保分野で優先的に取り組む事項として、インテリジェンス(情報収集、分析)、海上交通の確保などを挙げた。サイバー分野では、「戦略的サイバー・パートナーシップ」を創設し、両国で情報共有を強化するとした。』
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GW中に様々な国と外交をするなど仕事をしていました。
特にアメリカが日本を守ってくれるかどうか不透明の中で、オーストラリアとの関係を強化しつつある昨今は意義があることと言って良いでしょう。
また、フィリピンとの会談で「東・南シナ海での力による一方的な現状変更の試みに反対することで一致」したことに対して中国が大きく反発するなど一定のプラスの成果を出したと言って良いでしょう。
ただ、ホルムズ海峡が事実上封鎖されている状況や備蓄を放出して原油消費を賄っている状況には何ら変わらず(現状は50%が備蓄で補填)
追加の物価高支援やガソリン高抑制策をいつまで続けるかなど政治的決定をしていく必要があると思いますのでそこに注目ですね。
第1位 英地方選 与党・労働党大敗 新興右派「リフォームUK」・左派「緑の党」が躍進 二大政党離れ加速
TBS DIG 5月9日の記事、
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/2649975?display=1 より、
『イギリスで統一地方選挙が行われ、与党・労働党が大敗しました。新興右派政党の「リフォームUK」が最大の議席を獲得する見通しです。
イギリスの統一地方選は7日、北アイルランド以外の各地域で実施されました。
BBCによりますと、イングランドでは地方議会およそ5000議席のうち4000議席の結果が判明した時点で、スターマー首相率いる与党・労働党は1000議席以上を失い、大敗を喫しました。
一方、「反移民」を掲げる新興右派政党の「リフォームUK」がおよそ1300議席を獲得し、大きく躍進。
気候変動対策や富裕層への追加課税を主張する左派「緑の党」も、およそ410議席と大幅に増やしたほか、区長選でも初勝利しました。
労働党と長年、政権を争っていた保守党は大幅に議席を失い、国民の二大政党離れが加速した形です。
また、労働党は100年以上、最大勢力を維持してきたウェールズでも大敗。
スコットランドでは、独立を掲げるスコットランド民族党が過半数を維持しました。
労働党の大敗には物価高への不満や公共サービスの改善の遅れに加え、直近ではマンデルソン前駐米大使の任命をめぐる政権への不信感などが影響したとみられています。
労働党内部からはスターマー氏に辞任を求める声が上がっていますが、スターマー氏は辞任を否定しています。』
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イギリスでは長い間保守党と労働党の事実上の二大政党政治が続いていましたが、地方選挙とは言え反移民を掲げる右派と呼ばれるリフォームUKと左派の緑の党が大躍進をするという結果になりました。
これまで政権を担ってきた既存政党への反発と言うのが世界でも広がっているという事だと思います。
特に移民に対する反発は強く、高市政権も移民に対して厳しくする(僕的にはサッパリだと思うのですが)と宣言して大勝した経緯があるためこれは世界の潮流なのでしょう。
緑の党の主張している富裕層への課税と言うのは格差を是正するために一見すると真っ当なことを言っていますが、租税回避のための税金が非常に低いタックスヘイブン地があるためにそこに大富豪が移住してしまうだけで、むしろ経済が減退するリスクすらあるのです。
世界的な圧力をかけてタックスヘイブンであることをやめさせる措置を取らなければ富裕層から徴税することが難しいと思います。
そのために世界的に一致して対策が必要なのかなと思います(ただしとんでもないレベル富裕層は金を使ってそのようなことをさせないように画策するでしょうから一筋縄ではいかないでしょう)。
いかがでしたでしょうか?
流石にほとんどが公共機関すらも休みだったために地味なニュースばかりでしたが、どれも大事な観点を映し出しているような気がしました。




