表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したらチュートリアルで殺される悪役貴族だった件 ~元ニートの俺は引きこもるために努力する~  作者: 抑止旗ベル
第二章「美少女領主と仲良くなれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/101

第59話 そして再び、引きこもりへ……。

「……これで反ステイナー派の問題は解決したよな、中佐?」

「そうだな。彼らを支援する主なスポンサーは潰した。我々の仕事は終わったと言えるだろう。あとは――リリィ様に懸かっている」

「リリィに?」

「そうだ。ステイナー領内の貧富の問題が解決しなければ、反ステイナー派と同様にステイナー家を打倒しようとする連中が現れるだろう。そしてその問題を解決できるのは、領主であるリリィ様だけなのだ」


 俺の頭には、リリィの幼さが残る表情が浮かんでいた。


 あんな子供にこんな重たい課題を解決させようとするなんて無茶だ。責任感でリリィが潰されてしまうかもしれない。ひょっとすると社会に出るのが嫌になって引きこもりになってしまうかも……(体験談)。


「背負わせすぎじゃないのか、リリィに」

「それは分かっている。しかし、エールン卿の言葉を借りるわけではないが私は軍のいち将校に過ぎない。軍部としてリリィ様を支えることは出来ても、政治は出来ないのだ」

「確かにそうだけど……」

「だからこそ、だ」


 中佐が俺の肩を軽く叩く。


「……え?」

「政治的にリリィ様を支えることの出来る人材が必要なのだ。……貴公が我々に協力してくれて本当に助かった。こうして反ステイナー派の資金源を潰せたのは貴公のおかげだ。礼を言う」

「あ、ああ。いや、俺なんて大して何もやってないって。情報を集めたのはミカやゾップさんだし、全体の計画を管理していたのは中佐やロメロ君だろ」

「謙遜はやめてくれ。ヒリュー領の件に関してはすべて貴公の手柄だ。そして、エールン卿による金鉱脈の介入を察知し未然に防いだのも貴公だ。実力は私が保証するよ」

「中佐……」

「では、我々もステイナー領へ戻ろう。リリィ様がお待ちかねだろう」


 中佐はそう言って部屋を出て行った。


 ひとり残された俺は、中佐の言葉を反芻した。


「だからこそ……政治的にリリィを支える人材が必要……?」


 なんだか嫌な予感がしたが、まあ、とにかく反ステイナー派に関する問題は解決したわけだ。


 ステイナー領に戻れば、夢の引きこもり生活の続きを送ることが出来る。さて、何をしようかな。とりあえず家具をそろえておくか。リムニやシャペールと市場を回るのも悪くない。


 これから始まる引きこもり生活に思いを馳せながら、俺は帰路についたのだった。



◇◆◇◆



 ステイナー領中心街の片隅にある集合住宅。その一室が俺の家だ。そして引きこもるための拠点でもある。


 思い返せば、こうしてステイナー領にやって来てすぐに反ステイナー派からヒリュー領を守る戦いに駆り出されたのだから、全然引きこもり生活を送れていない。


 思い返してみれば散々だった。変な潜入任務は任されるしラウルには裏切られるし、金鉱脈ではブレスとも戦わなきゃいけなかったし。


 ……『コア』とか世界の『運命』とか聞き捨てならないような話を聞いたような気もするけれど、今はとりあえず忘れよう。


 集合住宅の二階に上り、部屋のドアの前に立つ。


 ここを開ければ引きこもり生活の始まりだ!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ