何もしない院長パート73 「西地区の反発が収まらず、地元商店街のおばちゃん連合が仲介に出る」
■再燃する西地区の怒り
市議会で一応“決着”したはずの病院機能分化。
だが、西地区の商店街には火がくすぶっていた。
「病院が縮小したら人が来んがいね!」
「うちの八百屋は、入院患者の家族が弁当買ってくれるから回っとるんや!」
怒声混じりの井戸端会議。
町内のラーメン屋、青果店、クリーニング屋、そして薬局。
皆が一斉に不安を吐き出す。
「そしたら、いっちょ文句を言いに行くか!」
おばちゃん連合の決起が決まった。
■院長室前に集結
翌朝。
院長室の前に、商店街のおばちゃん連合がズラリと並ぶ。
野上院長はちょうど朝のコーヒーをすすっていた。
秘書の九枝さんが小声で告げる。
「院長……西地区のおばちゃんたちが、団体で来てます」
「おお、ちょうど腹も減っとったしな」
なぜか笑顔で院長は立ち上がる。
■“交渉”の始まり
おばちゃんリーダー格の魚屋が切り出す。
「院長さん、病院を小さくされたら、ワシら商売あがったりや!
なんとかならんのかね?」
院長は頭をかきながら一言。
「病院は縮んでも……ひとの胃袋の数は減らんのちゃう?」
「……ん?」
一瞬、空気が止まる。
■おばちゃんたちの逆転思考
その場にいた八百屋がハッとした。
「そういや、リハビリや療養で長く通う人が増えたら、むしろ日常の買い物が増えるかも……?」
ラーメン屋も腕を組む。
「入院より通院が増えたら、昼飯にラーメン食いに寄る客も増えるんやないか」
クリーニング屋がニヤリ。
「療養型ならシーツや衣類の洗濯は定期的に出るし、うちの出番や」
気づけば、おばちゃんたちは互いに顔を見合わせて大笑い。
「院長さん、結局アンタは何もしとらんけど、みんな腹は減るっちゅうことやな!」
その場は爆笑で終わり、
後日、商店街の掲示板には新しい張り紙が。
「病院は縮んでも、胃袋は縮まらん」——院長語録
SNSでまたバズり、
西地区の反発は“商売繁盛のチャンス論”へと変わっていった。




