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何にもしない病院長  作者: しゅんたろう
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何もしない院長パート61 「院長は売店のおばちゃんと仲良し」

これはフィクションです。実在の人物・団体とは関係ありません。



 南方総合病院の1階、院内コンビニ。

 昼も夜も、患者さんや職員でそこそこにぎわう小さな売店だが、朝一番に訪れる常連客がいる。

 ――院長・野上である。


 「おはようさん、今日は新作のフィナンシェ入っとるで」

 

レジ奥から顔を出すのは、売店のおばちゃん・谷口さん。

 

野上は目を細め、「そら買わなあかんやろ」と、ついでに職員用のコーヒーやら、救急に差し入れるバナナやら、レジかごをいっぱいにする。


 谷口さんは、ただの売り子ではない。

 「あの患者さん、今日はちょっと顔色悪かったわよ」

 「○○先生、最近夜遅いんちゃう?」

 

――と、何気ない会話の中で、病院の空気をやんわりと伝えてくれる“院内の見守り役”でもある。


 ある日、野上がレジに並んでいると、後ろから高校生のFuture Hands Projectメンバーが声をかけてきた。

 

「院長先生もここで買い物するんですね!」

 

「そやで。ここがな、院長室のサテライトオフィスや」

 谷口さんも笑って、「ここで大体の院長会議は終わっとるんよ」と冗談を重ねる。



そんなやりとりに、レジ前の空気はふわっと和んだ。

 

お菓子や飲み物と一緒に、ちょっとした安心感も持ち帰れる――野上にとって、売店はそんな場所なのだ。

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