春の散歩
「お腹、空いたみたいですね。今、食べられそうなもの持ってきますから」
そう言って看護師さんは部屋を出た。
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「食べられそうですか?」
「あっ。はい、大丈夫そうです」
「では、何かあったらこれを」
そう言って渡してきたのはナースコール。
「わかりました。ありがとうございます」
「では、お大事に」
体に悪影響なのはわかるが、やはり思い出したくはある。
ありがたいことに、看護師さんがスマホの修理を依頼してくれたみたいで、いずれ新しくなるみたいだ。
スマホが戻ってくれば、それなりの情報が手に入るはず。
しかし、それまでやることがない。病院は少し暇ではある。
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看護師さんがお皿を片付け、こんなことを言った。
「まだ、若いのにね……」
「えっ。私、若いんですか?」
「うーん……。身分証がないからわからないですけど、20代とかじゃないですか?」
「えっ。じゃあ、看護師さんは?」
「私は25です」
「若いじゃないですか!」
「ふふっ。そうだ、少し、散歩でもどうですか?」
「いいんですか?」
「はい。体自身に異常があるわけではないですし」
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「お花、かわいらしいですね!」
「ですよねぇ。私もお気に入りなんです」
「看護師さんも!」
「内海です」
「え?」
「内海 真桜と言います」
「内海さん!」
私がそう言うと、内海さんはにっこり笑って、頷いた
「今日は、天気がいいですね。雲一つない」






