次の職場?
いつの間にかブックマーク数が150を超えていたのでびっくりしました((((;゜Д゜)))))))
大変多くの人に見ていただけているようで、結構励みになります
区切りのいいところまでは集中して続ける予定なので、これからもよろしくお願いします
とあるネットカフェに野球帽を被り、青い上下のジャージに身を包んだ少女が入店する。
彼女は何故か登山用と思われる大きめのバックパックを背負い片手に旅行用キャリーケースを携えてやってきたのだ。一瞬不審に思った従業員だったが、よくよく見ればさっき急いで出て行ったお客さんとわかりほっておく事にした。このネットカフェは前払い制で、その少女の利用時間はまだ残っていたので店内で厄介ごとを起こさない限りは何もしないでおこうと考えたからだ。
…………まあ、そんな彼女がこのネットカフェを使って怪人専用の掲示板にアクセスしていると知ったら、さすがに通報するだろうが。
彼女はさっきと同じ個室に入ると出る前にアクセスしていた掲示板を開く。
彼女が出る時にはレスポンスは300もなかったはずだが、すでに800を超えていた。
とりあえず今までの流れはおおよそハッカーと呼ばれたスレ民から聞いていたので書き込むことにする。
823:>>1
ヤッホー、帰ったよー
824:名無しの戦闘員
あ、おかえり>>1 早かったな
825:名無しの戦闘員
まじで帰ってこれたのかワレぇ
826:名無しの戦闘員
知ってるか、こいつサイバーガールぼこってきたんだぜ
827:名無しの戦闘員
あいつ出た時は死んだと思ったのにな
828:>>1
でさ、改めて転職先を募集したいんだけどさ、どこがいいと思う?
やっぱり事務とか裏方系がいいと思うわけよ
829:名無しの戦闘員
ない
830:名無しの戦闘員
ない
831:名無しの戦闘員
いやーないっすね
832:名無しの戦闘員
ないないないないない
833:ハッカー型怪人
無理だな
834:名無しの戦闘員
諦めろん
835:名無しの戦闘員
無理じゃ
836:>>1
えー(´·ω·`) なして?
837:名無しの戦闘員
自分の戦闘力を考えろやボケェ!!
838:名無しの戦闘員
百歩譲ってサイバーガールの件はまぐれとしても、ガトリングブラザーワンパンできる人材を事務系に回せるかあ(#゜Д゜) !!
839:名無しの戦闘員
巨大怪獣に畑仕事しろって言ってるようなもんやぞ
840:名無しの戦闘員
正直持て余す
841:名無しの戦闘員
とりあえず改造は年齢的に早そうだからなしとしても
名持ちの怪人になるべきそうすべき
842:名無しの戦闘員
てか改造いらないんじゃね
843:名無しの戦闘員
名無しと名持ちじゃ待遇も違うしな
844:名無しの戦闘員
ヴィランネームってやつやね、昔いた大怪人、本名飛鳥天蔵みたいな
845:名無しの戦闘員
んで、是非とも>>1におすすめの職場があるわけよ
846:名無しの戦闘員
我々 スタッフが一生懸命、一生懸命捜しました
847:名無しの戦闘員
んで、見つけました
848:>>1
ほう、どんなの?
849:名無しの戦闘員
詳しい話は現地で聞くことになるから、この酒場に行って【位置情報と何かが書かれた紙の写真】
んであとはこの下の方に書いてある手順を実行して
そうすれば店員さんが怪人専用バーに案内してくれるから
850:名無しの戦闘員
んで、その後にバーテンしてる海老怪人に『七番の部屋を借ります』
っていえば更に奥に通されるからそこで待機してて、組織の人が迎えに行く事になったから
851:名無しの戦闘員
多分>>1にとっては天職やろ
852:名無しの戦闘員
せやな
853:名無しの戦闘員
むしろここ以外ありえん
854:名無しの戦闘員
ちゃんと給金も出るし、週休2日は確実
働きに応じてボーナスもでるし、各種手当も充実してるぞ
855:名無しの戦闘員
まあ、未成年をバーに案内するのは問題あると思うけど
そこまで厳密に法律守る意味はないもんな
856:名無しの戦闘員
ただし、やりすぎて労働環境が最悪だと反逆される模様
857:名無しの戦闘員
↑それなww
858:名無しの戦闘員
てか、実際反逆したのを見たばっかだしな
859:名無しの戦闘員
労基はヒーロー怪人問わず守らなきゃいけないって身に染みたわ
860:名無しの戦闘員
草草の草だわ
861:>>1
ムゥ、ここからじゃ結構遠いけど
そこまでいうなら行ってみてもいいかな、書類とかいる?
862:名無しの戦闘員
書類はいらない、てか>>1しか行かないから手荷物だけでOK
てか今日はもう遅いし一週間以内に来てくれたらいいよ
863:名無しの戦闘員
最優良物件だけど、その代わり高レベルの戦闘力が要求されるからな、
他のスレ民が身元を偽って受けに行っても死ぬだけぞ
864:名無しの戦闘員
わかる
865:>>1
ん〜、なんか変な感じするけど、とりま行ってくるわノシ
866:名無しの戦闘員
てらてらノ〜
867:名無しの戦闘員
ノシ
868:名無しの戦闘員
ノシ
869:名無しの戦闘員
ノシ
870:名無しの戦闘員
乙
871:名無しの戦闘員
ノシ
872:名無しの戦闘員
幸運を祈る
873:名無しの戦闘員
ノシ がんばれ
874:名無しの戦闘員
ノシ
875:名無しの戦闘員
ノシ
876:名無しの戦闘員
死ぬなよー
877:名無しの戦闘員
ノシッシ
878:名無しの戦闘員
多分ブラックよりマシだからノシ
879:名無しの戦闘員
その戦闘力さえあれば生きていける
ある程度下の方まで読んでから、彼女はパソコンを閉じる。
このままメモの場所にすぐ向かったとしても、どれだけ早くても着いた頃には日が暮れてそうだと彼女は思う。
なら今日はこのままネカフェに泊まるかとも思ったが、手荷物が手荷物なだけにやめた方がいいと判断した。
そう、そのバックパックの中には配信中に強奪した星辰戦隊専用変身装備のコピー品が二つに加え、容量ギリギリまで詰め込んだ札束が入っているのだ。
総額は……彼女は数えてはいないが少なく見積もっても一億円近くはあるだろう。
正直詰め込みすぎたと思わなくもない彼女だったが、急いでいたのでとりあえず組織の備品のバックパックに詰めるだけ詰め込んで逃げてきたのだから仕方のないことと納得した。
その後彼女は近くの、この非常時に何故かお店を開けている服屋に寄り、旅行用キャリーケースとジャージ等着替え一式を購入したのだ。ちなみに壊れたヘルメットや戦闘員服、もう用済みとなった端末はその辺の川に捨てた。
とりあえずホテルにでも泊まろうか。そう思い至った彼女はすぐに近場のホテルを検索する。
未成年でも怪しまれないようなホテルを探し、…………三駅離れた所にあるホテルに丁度空きがでたようで運良く当日予約することができた。
荷物をまとめ、ネカフェを後にする。
経路も当然調べてあるので、あとはホテルに行き報告書を作成……はもうしなくても良いので、あとは休息するだけだ。
「さて、これからどうなるのかな?」
彼女に未来がわかるはずもなく、今の彼女にできるのは胸に生じたわずかな不安を溢すことのみ。
けれど、きっとあの超絶ブラックな幻想機関よりかはマシだろう。そう彼女は確信していた。
「ん?」
ふと彼女は足を止める。
とある家電屋の展示品、その一つの最新型テレビジョンに気になるニュースが映し出されたからだ。
『ここで只今入りました緊急速報をお知らせします。本日の午前10時半頃。海外を拠点に活動しているテロリスト集団“極大魔王”の大幹部、牛魔王一派の国内侵入が確認されました。大変危険な怪人であり、この手配書の人物を目撃された際には迷わず警察やヒーロー機関に連絡してくださるようお願いいたします。繰り返し申し上げます。本日の』
「何ともまあ、物騒ね」
聞く人が聞けばお前が言うな、とツッコミを入れるだろうが、残念なことに彼女の素性を知るものは近くにはいない。
まあ、どうでもいいこと。そう思い彼女は駅に向かって歩み出した。