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第4章④vs角田④

 パン!


「21―19、ゲーム須磨、チェンジコート」

 コールとともに須磨は水筒に口をつけた。がぶ飲みだった。

 その様子を角田は静かに水分補給しながら眺めていた。

「そうとう疲れているようね」

「はぁはぁ、そういう先輩は余裕そうですね、セット取られたのに」

「まぁね、こんなフラフラの子から2セット取るなんて簡単だからね」

「へっ。次のセットをとって、さっさと終わらせてやるぜ」

「そうできたらいいのにね」


 ――2人は各々の位置についた。

「やってやるよ」

「では、やってみなさい」

 角田のカットサーブ。

 須磨はいつも通りカットレシーズ。


 パン!


 角田のスマッシュが炸裂。

 0―1

「なっ、スマッシュ?」

 須磨はバカみたいに口が開いた。

「よし。1ポイントね」

 ルンルン気分の角田。

「ちょっ、先輩、どういうことだよ?」

「どういうこと、ってどういうこと?」

「なんでスマッシュしているんだよ?今までそんなことしていなかっただろ?」

 須磨は両手を広げて質問した。

「なんでって、スマッシュしてはいけないルールがあるの?」

「いや、そういうルールはないけど、そうじゃなくて、信念というか、プレースタイルというか」

「なるほど。さっきまでスマッシュしなかったと、カットマンはスマッシュするなと、持久戦のカットだけしとけ言うのね」

「……言い方はあれだけど、そういうことだ」

 須磨は汗だくで頭が回らない。

「でもね、わたしがそういう戦い方をしていたのは、あなたの体力を削ることを目的にしていたからよ。既に体力がなくなったあなたにそういうことをする必要はないわ。だから、違う戦い方をさせてもらうわ」

 角田はサーブ。

 須磨はレシーブ。


 パン!


 角田のスマッシュが決まる。

 0―2

「またスマッシュか」

「カットばかりで飽きていただろ?」

 角田は余裕の表情。

「そうだけど、これはこれで飽きそうだな」

「飽きないように頑張りなさい」

「うるせぇよ」

 須磨のサーズ。

 角田のカットレシーブ

「なっ?」

 須磨は返球。

 角田は再びカット。

「また長期戦かよ」

 須磨は返した。


 パン!


 角田のスマッシュ。

 0―3

「……スマッシュかよ」

「あら、またカットばかりの持久戦だと思った」

「あぁ、思ったよ」

「まぁ、実際にそうしようと思ったわよ」

「どうしてしなかった?

「うーん。あなたがそれに気づいている気がしたの。だから、わたしはスマッシュでの短期決戦にしようとしたのよ」

 角田は考えながらそれとなく言った。

「はっ、バレていたのか」

 須磨のサーブ。

 角田はカット。

 須磨はレシーブ。

 角田はカット。

 須磨はレシーブ。

 ……


 バフっ


 須磨のボールはネットアウト。

 0―4

「はぁはぁ、今度は持久戦」

「あら、ご期待に応えたつもりだけど?」

「ありがとよ。別に期待していないけどな」

 須磨の顎から汗が地面を濡らしていた。

「まぁ、状況によって変えているだけよ。あなたがスマッシュに合わせてきそうだから、意表を突いたつもり」

「そうか、それは困ったな」

 須磨は本当に困っていた。

「ふふ。それくらいわたしじゃなくてもだれでもやるでしょ?」

「あいにく俺はあまりやらないな」

「別に否定はしないわ。人それぞれだもの」

「そうかい」

「それよりも、あなた、本当に限界そうね。さっきのラリー、30秒くらいで終わったわよ。今までの半分以下よ」

 角田は優しい口調だった。

「限界じゃねぇよ」

 須磨は厳しい口調だった。

「そう?だったらいいけど」

 角田はサーブ

 ……


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