表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/29

第4章①vs角田①


 後日の部室。

「どうしてわたしが須磨と戦わないといけないの」

 ロン毛の男は大虎に言った。

「いいじゃねぇか。俺の敵をとってくれ、角田」

 大虎は角田に言う。

「いやよ。どうしてあんたの敵をとらないといけないの?」

 角田は断る。

「同級生の馴染みでさ。お願い」

「いやよ。同級生といっても、仲がいいわけじゃないでしょ?絶対にやらないわ」

「おねがい。パフェ奢るから」

「やりましょう!」

 角田は了承した。

「というわけで、角田と勝負だ、須磨」

 角田の肩を持ちながら、大虎は須磨を指さした。

「……俺はなんの寸劇を見せられているのですか?」

 須磨は目を点にさせていた。


【練習試合:須磨VS角田:2セット先取】


「サーブはあなたからでいいわよ」

「わかった」

 須磨はサーブを打った。

 と、角田はラケットを上から下に振り下ろし、下回転をかけてきた。

「いきなりカットかよ」

 須磨は普通の回転で返した。

「いきなり悪い?」

 角田は再び下回転。

「別にいいけどよ」

 須磨の返球。

「それは良かった」

 角田は後ろに下がりながら下回転を掛ける。

「もしかして」

 須磨はそれを返球。

「もしかして、なに?」

 角田は再び下がりながら下回転。

「お前、カットマンか?」

 カットマンとは、ボールに下回転をかけるカットを主に使うプレースタイル。基本的に防御型であり、長期戦に持ち込んで相手のミスを誘う戦法。

「そうよ。なにか問題でも?」

 角田はカットした。

「問題はねぇよ」


 パン!


 今までより強い須磨の打球が角田の横の空間を射抜いた。

 1―0

「な?問題ないだろ?」

「わたしには問題はあるわ」

 軽く会話をする須磨と角田。

「というか、なぜ僕が審判しているのですか?

「いいじゃねぇか。よろしくな」

 こちらも軽く会話する宅井と大虎。

「って、なにしてんだよ!」

 宅井にベタベタ触る大虎に須磨は噛み付いた。

「だってー、女子と話すことなんてあまりないしー」

「知らねぇよ。邪魔だからどっかいけ!」

 須磨にそう言われた大虎はトボトボと離れていった。

「もー、気が散るわね」

 角田はよそ見していた。

「それは負けた時の言い逃れですか、先輩?」

「いいえ、負けないわ」

「そうです、か」

 須磨のサーブ。

 角田はカット。

「はっ!」

 須磨は強く打った。

 角田はカット。

「はっっ!」

 須磨はさらに強く打った。

 角田はカット。

「はぁっっ!!」

 須磨はさらにもっと強く打った。


 パン!


 が、ボールは外れた。

 1―1

「くそ!」

「汚い言葉ねぇ、もう」

 角田は汚物を見るような嫌そうな顔をした。

「汚くねぇだろ、これくらい」

「これだから男子は」

「お前もだろ!」

 須磨は奇異なものを見る気分だった。

「あら、そうね、ふふふ」

「気持ちわるいな」

「そんなことより、行くわよ」

 角田のサーブ。カットで下回転。

「やっぱりな」

 須磨はカットで返球。

「あら、カットできるの?」

 角田は返球。

「当たり前だろ」

 須磨はいつも通りの強い返球。

「あら、そう?」

「そうですよ」

 ボールの返球をしながら言葉の返球をしているようだった。


 バフっ


 須磨のボールはネットに遮られた。

 1―2

「くそ」

「だから、その言葉汚いわよ」

 角田は再び注意した。

「うるさい。別にいいだろ」

「良くないわよ。言い方に気をつけてよ」

「ちっ、わかったよ」

 意外と修正してくれる須磨。

「じゃあ、行くわよ」

 角田のサーブ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ