嫌いだ
朝は嫌いだ。1日の始まりを無理矢理叩きつけられている気分になる。
昼は嫌いだ。なにかをしなければいけない気分にさせられる。
夜は嫌いだ。華やかに生きている人間たちが余りに眩しく、羨ましい。
夢は嫌いだ。語れば笑われ、秘めれば叶わない。
現実は嫌いだ。甘さも優しさもない、あるのは絶望と虚無感だけだ。
明日は嫌いだ。さも希望に溢れているかに語られているが、実際は今日とも昨日とも中身は変わらない。
昨日は嫌いだ。後悔に身を焼き虚無感と共に生きることになる。
今日は嫌いだ。昨日のことと明日のことで手一杯になる。
絶望が嫌いだ。この世の全てが無駄に思えるし恨めしく思える。
希望が嫌いだ。実際はないのにあると思わせる様子は最低だ。
虚無感が嫌いだ。空っぽな自分の無価値さに打ちひしがれる。
充実が嫌いだ。満ち足りているような気がするのは勘違いなのに。
過去が嫌いだ。思い出しては後悔し、決して消えることのない傷として残る。
未来が嫌いだ。今後降りかかる嫌いなことを予告されている気分だ。
男が嫌いだ。頭が悪いし脳味噌生殖器のくせに諦めは悪い。
女が嫌いだ。自分が正しいと信じ込み疑わないし相手を引きずり落とすことしか考えていない。
相手が嫌いだ。勝手に自分のことを評価してくる。
自分が嫌いだ。中身はないのに見た目にばかり囚われる。
私が好きなものは、嫌いだ。
お読みいただきありがとうございました。