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第4話

「モーガン。また、パンを盗んで怒られたの?」








  (眉を顰める 彼の癖 今もはっきり覚えている)









おなかがすいたから










「そんなの、みんな同じじゃないか。みんながまんしてるよ」











もっと食べたい











「決戦で生き残れば、いろんなものを食べれられる。それまでの辛抱だよ」









  (私が顔を背ける。)









でも、生き残るのは強い人たちだけ、〇〇〇とか、アーサーとかブライアンみたいな先輩たち。モーガンは無理だから、生きてる今のうちにいっぱい食べる








  (まっすぐな彼の瞳が私をのぞき込む)








「君は強くなれるよ、生き残って、一緒に外の世界で自由に生きよう」















うん







「だからパンを盗むのはやめよう」






それとこれは別








  (彼が笑うと、私も自然と笑みがこぼれた)





















「外には”街”があってね、服や食べ物やいろんなものが売ってるんだ。”港”には船があって、取ってきた魚を魚市場で売るんだ。それから、それから外にはね、魔法の学校があって、そこで魔法について勉強するんだ」







〇〇〇は、見たことあるの?








「野外訓練で、山に登った時に、頂上からほんのちょっとだけ街が見えたんだ。モーガンがサボった時だよ。後は、話で聞いたり、本で読んだんだ。」







フクツウ。サボったんじゃない










  (外の世界のことを話す時、彼はいつも遠くを見つめるように目を細める)














「それで、そこにはきれいな石が採れる谷があるんだ。それも、ただの石じゃなくて魔法の力が込められた石だよ。天気のいい日の夜には、月明かりが差して、暗い谷底から、石の星空が見られるんだ。」








  (家畜小屋で、出荷を待つ豚のような私たちの生活)







「霧の森って知ってる? そこではいつも霧が出ていて、入った人はみんな道に迷って出られなくなってしまうんだ。怖い魔物に食べれたり、深い深い地下につながってる穴に落ちてしまうって書いてあったんだけど、本当かな?」










  (私は黙って彼の話を聞く。彼の楽しそうな横顔を見つめる)














  (どこか遠くで、私と同じ宿命を背負った、血の繋がった宿敵(きょうだい)





  実の保身の為に私たちを差し出した裏切り者(両親)





  そんな狂った世界で見て見ぬふりをする傍観者達(国民)





  私たちのことなんてモノか道具としか思っていないこの国()








  そんなの、いまはどうでもよかった。)










「モーガン」







なに?







「チュッ。」














「前に読んだ本に書いてあったんだ。好きな人には、こうやって”口づけ”をするんだって。」









・・・・・・・・・・。







「嫌だった?」








でも、いま、モーガンの顔、汚れてるよ。







「そんなの、僕だって同じさ」







  (本当に、世界のことなんて、どうでもよかった。)








「それから、こう言うんだ。”愛してる”って」





アイシテル。っていうの?







「そうだよ。それで相手に好きって気持ちを伝えるんだ。」







そんな本、読んでいいの? 








「あんまり読んじゃいけない本」





やっぱり。













「モーガン。愛してるよ」











わたしも、愛してる。

もともと予定してたストーリーをガン無視してしまった・・・・・・・・・・。



ちなみに、


ルウェイ第一王子の名前は、村上春樹さんの小説「ノルウェイの森」から来ました。


机の横に本棚があって、収まりきらない本は何冊か上から乗せてあるんですけど、


私が座ると丁度「ルウェイの森」だけしか見えなくて、


この人の名前何にしようかな~ってあたりを見渡した時に丁度目に入ってきたのでそのままつけました、というどうでもいい話。




この話描いてて思ったのが、昔ユーチューブに載ってた「モルモットと傭兵」という曲、

丁度このファイヤーオパールの草稿を書いてた時にめっちゃ聴いてたので、

少なからず影響を受けてます。

あの時まだ私、小学生よ・・・



過去にあった”決戦”の話もちょくちょく書いていきつつ、これからも頑張っていきたいです。


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