うまい棒に気を取られ
これを見た人は俺の気が触れたのかと思うかもしれませんが、私は普通です。
私は探偵事務所なんでも解決の探偵、名を悪人 見附という。今日も依頼が入ってきた。ふ…又悪人を見つけるとしようか。
パシャパシャ
カメラのシャッター音が聞こえる。
今日の依頼は何回か一緒になって事件を捜査したことのある刑事からの物だ。
見附「刑事、今来ました。早速ですが、遺体のことについて教えてください。」
刑事「ああ、見附くん今日もよろしく頼むよ。遺体の名前は『今回は 私が死にます』さんだ。年齢は22歳大学4年生で一人暮らし。死因は急性うまい棒中毒によるものだとされている。」
見附「…うまい棒中毒…それは…可哀想に。」
刑事「うまい棒の種類はエビマヨ味、見てくれ。」
そう言って刑事はクローゼットを開けた。
見附「大量のうまい棒…!」
刑事「ああ、どれもエビマヨ味だ。数万は有ると思われる。」
???「刑事さん!妹が!妹が死んだというのは本当ですか!」
バン
と勢いよくドアが開かれ私が死にますさんとそっくりな女性がやってきた。
見附「こちらの方は?」
刑事「ああ、先日までハワイに行っていたと言う死にますさんの双子の姉の『今回は 私が殺します』さんだ。落ち着いてください、確かに残念でしょうが、妹さんは…」
殺します「そんな…うう…うまい棒を食べたばっかりに…」
そう言って殺しますさんは座り込む。
…今何か…引っかかったような…
刑事「聞きたいのですが、妹さんはエビマヨ味のうまい棒が好きだったんですよね?」
殺します「はい、でも!そんな死ぬまで食べるなんてことはしません!精々1日1000本が限界でした!」
刑事「…むう…これは…って!何をしているんだい見附くん!」
俺は殺しますさんの鞄を漁る。
殺します「な、何をするんですか!」
殺しますさんはカバンを直ぐに俺からひったくった。
見附「刑事さん、ゴミ箱を漁ってもいいですか?」
刑事「あ、ああ。許可しよう。」
ゴミ箱はなぜか10個有る。一つ一つ確認して行く。
中身は全てうまい棒エビマヨ味だった。
見附「殺しますさん、妹さんは右利きですか?」
殺します「左利きですけど…」
…ふむ。
次はクローゼットに近づき右にあったエビマヨ味を一つ選んで食べる。
刑事「な!?見附くん?どうしたんだ!」
そして俺は徐に食べて穴が空いたうまい棒の山にそっと11円を置いた。
そして、ふむ。
見附「殺しますさんは、うまい棒、好きですか?」
殺します「はあ、好きですが。それが何か?」
見附「関係があるんですよ。教えてください。」
殺します「私は、明太味が好きで「嘘よ!」
死にます「その女は!嘘を言っている!」
刑事「待ってくれ!嘘とは?どう言う意味かね。」
死にます「その女が好きなのは、明太味じゃなくて、エビマヨ味よ!」
みんな「な!なんだってーーーーーー!」
おそらくここで雷のSEが入る。
見附「と言うことは、やはり!」
殺します「そうよ…私がやったのよ。探偵さんはわかっていたようだったけれどね。せめて何故わかったか教えてくれないかしら?」
ここでおそらくコ◯ンの悲しげなbgmが流れる。
見附「簡単な事ですよ。妹さんの口を最初に見たときに少し赤いカスがあったんです。そして、恐らく最後に使ったであろうゴミ箱のエビマヨ味の裏に赤いカスが付いていた…最後にクローゼットを調べたときに食べたエビマヨ味はエビマヨの味がした。これは、うまい棒を急に食べさせるために妹さんが好きな明太味と貴方が好きなエビマヨ味を組み合わせたトリック!」
刑事「待ってくれ!では死にますさんがうまい棒を食べないかもしれないじゃないか!」
俺は死にますさんに近付く。
肩に手を置き。
見附「美味しかったんですよね…」
死にます「…はい!ううう…」
見附「もうお休みになりなさい。この事件は、幕を降ろしたのですよ。」
ここでおそらくコナ◯の悲しげなbgmが切れる。
刑事「では、署まで同行願います。」
殺します「はい…ごめんね、死にます。」
本当に悲しいのは、もしかしたらただ、自分の好きなうまい棒を食べて欲しかった殺しますさんかもしれない。