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6、防御魔法が完全する。

遅れてすみません


 ルーナがまた白目を剥いて動かなくなっている、その顔は元なんやら様とは思えないくらい間抜けだ。


原因は俺、使える魔法を見つけて嬉しくなって祝砲代わりにそれをぶっ放したら地下室に飛び込んできたルーナに偶々(たまたま)当たり、弾き飛ばされた彼女は後頭部を強打して動かなくなってしまった、


死んだ訳ではない、脈はあるし瞳孔も開いていない


確かめる時に腕の脈が見つからず、仕方なく胸に手を押し当てたのは彼女のためにも黙っておこう、

勿論、下心なんて微塵もない。無いからね?


ちなみに感想は『どら焼き。』何の感想とはあえて言うまい・・・・本当に下心なんて無いからね?


「どうしよう・・・・・」


どこかに棄てようかとも考えたが、人道的にどうかと思い、取り扱い起きるまで寝かすことにした。


動かないルーナを担ぎ上げる。結構重かった、

卓球部に所属していたが、夏に引退してからというもの体育の授業でしか運動していなかったため、体力不足と筋力不足は深刻だ


なんとか背中に乗せる。当然ながら柔らいものが背中に当たる。

改めて思うが、


「こいつは着痩せするタイプか!」

「ヘンタイっ!」


後頭部を思いっきりど突かれた。


「痛ってぇ、って起きてたのか」

「何なのよいきなり着痩せするタイプだなとか失礼じゃない!と、とにかく降ろしなささいよ」

「どーどー」


顔を真っ赤にして言った。取り敢えずルーナを降ろして落ち着かせる

まるで悍馬の扱いだ

落ち着いたところで次は新しい防御の魔法を試す、


「新しい防御魔法を試すから見てろよ」

「アンタの魔法とか見たって何一つプラスなことないんですけど」


ルーナは地下室の端っこに置いてある箱に座って言った。

箱に赤文字で『キケン!取り扱い注意』と書かれているが、(特に理由は無いが)言わない事にした。


以前の防御魔法は自分の周りを金魚鉢で覆う感じのものだった。

イメージ自体は上手く出来たものの、完全したそれは魔力不足で金鎚の一振りで簡単に破壊されてしまった


一にも二にもまず強度を上げなくてはならない、魔力が足らないのなら集めればいい

今回、思い付いたのは防御を金魚鉢のように360度に展開するのではなく、後方や上部に集中分散していた魔力を前方にのみ集中させて魔力の壁の強度を上げる

それに加えて壁をV字形に展開しその頂点を相手側に向ける事で傾斜装甲のように実質的な厚みを増し更に攻撃を弾きやすくする

ちょうど本を半開きにして立てたような感じだ


ものは試し、やって見なければ分からない


「えっと『装甲』は英語で・・・・何だっけ?」

「『Armor』よ」


ルーナが頬杖をつきながら言う

イメージさえ出来れば英語にする必要は無いのだが、日本語で『装甲』と言うより英語で『アーマー』という方が何となくカッコイイのでそうする

頭の中でイメージする


-平で密度の高いV字形の壁・・・・・前に集中させて・・・-


「『アーマー』ッ!」


身体をギリギリ隠せる程度の大きさの半透明の壁が出現する


「できた・・・・」


重要なのは次、強度を確かめなければならならない、


「ルーナ、ちょっとそこに置いてある金鎚で叩いてくれ」

「はいはい、・・・・・何で私たちがコイツに命令されなきゃいけないのよ」


身体(フィジカル・)強化(エンチャント)


グチグチと文句を垂れながら『身体強化』の魔法を自らにかけて金鎚を手にしたルーナは、何故か地下室の隅まで移動し、大きく振りかぶって・・・


「わぁ~たぁ~しぃ~にぃ~・・・・命令すんなッ!!」

-165km/h-


それを俺の造った『アーマー』に全力で投げつけた


プロ野球選手のピッチング並みの速度で飛んできた金鎚は『カキンッ!!』とホームランを打った時のような高い音が鳴り、『アーマー』を貫通する事なく、傾斜装甲の狙いどうり、運動エネルギーを逸らす事に成功した。

金鎚の頭が完全に砕け散っている事から、『アーマー』が役に立つという事とルーナの明確な殺意が証明された。


「え、そんなに命令されたのが嫌だったの!?」

「(あなたの)首ください(ニコッ)」

「怖ぇえよ会話してくれよ!」


成立しない会話に本気で怖くなった俺はこの後、このサイコパスをどうにかする方法をGoo○le先生に何度も問いただした



自作魔法の『インパクト』と『アーマー』これで師匠が出した課題は完遂した

後は師匠の帰りを待ちOKを貰うだけ・・・・


「と、その前に・・・・師匠が帰って来る前に片付けないと・・・・」


部屋を片付けなければならない

直したテーブルと部屋の一部以外はルーナが入ってきてメチャクチャになってそのままだ


師匠に見つかったらヤバい

と言っても師匠が帰って来るまであと3日ほどあるのでそこまで急ぐ必要もない。


「ルーナお前も手伝えよ!」

「嫌よ、何でそんな事しなきゃいけないの?」

「お前もやっただろ!?」


これ以上言い争っても片付けは進まないので諦めて片付けを再開しようとしたその時、


「只今戻りました。いや、仕事が思ったより早く片付きましてね。今回は少々いじめすぎた・・・・それはそうと,トシナリ課題の進行状況はどうですか?少しぐらいなら期間延長も考えないことはな・・・・・・・・・・・・ッ!!!??」


そこに立っていたのは黒髪に紅色の目、スラッと背の高い超絶美形・・・・

  師匠だった。

     師匠が帰ってきた。

        師匠が帰ってきてしまった。


「あ、あのっ・・・えと、え、あ、これは・・・その・・・・・これはっ!」

「トシナリ、部屋がめちゃくちゃになっている理由を十秒以内に言いなさい。(笑顔)」


清々しい(気持ち悪い)ほどの笑顔。

一周回って、どころか百週回って千倍怖いパターンだ


「誠にぃッ!!申し訳御座いませんでしたぁぁぁぁあああッ!!!!!!!!!」


俺は韋駄天よりも速く『超ウルトラ・ミラクル・ファンタスティック・デリャス・スライディング土下座』決めた


が、


「あと7秒です、」


無慈悲にカウントダウンしただけだった。



「カクカクシカジカ・・・・-で、この様なことになりました・・・・・誠に申し訳ありませんでしたッ!!」

「ありませんでしたッ!!」


壊れた家具が散乱する部屋の中央よりやや右側、俺とルーナは師匠の前で頭を地面にこすりつけて下っ端サラリーマン顔負けの土☆下☆座をしていた。

最初は『何で女神たるこの私が下界の者に頭を下げないの?バカなの?』と、反抗していたルーナだったが、すぐに師匠の殺気に潰され、元何か様のプライドなど音速で捨てた彼女は今の有り様だ


「まぁ、幸いにもお気に入りのティーカップは壊れておりませんし、今回は許しましょう」

「有り難う御座います!」

「御座います!」


「それにしてもカップが割れなくてよかった・・・・いくら私でもこのカップが壊されたら正気を保つ自信は有りませんよ?」


もし壊れていたらどうなっていたか・・・・師匠がキレて発狂した時の事など想像もつかないし、想像したくない

いびりがさらに酷くなるとか絶対に避けなければならない

てか、どんだけティーカップ・・・・いや、もういい、気にしない


「二人とも顔を上げて下さい、」

「「は、はい・・・・」」


俺とルーナは恐る恐る顔を上げる


「ところでお嬢さんあなたは一体どこの誰ですか?話を訊くところによると・・・・(自称)女神だとか・・・」

「ええ、私は女神よ、だけどこのクズナリが生意気なもんだからちょっと天罰当てたら天界規定とかにひっかかって、で私までこの薄汚い下界に落とされた可哀想な女神様よ」


「トシナリこの()()()()()をお持ちのお嬢さんの話を一般人の私にも理解出来るように説明しなさい、」


師匠が俺に助けを求めてきた、

師匠が一般人なのかどうかはひとまず置いといて俺は師匠に耳打ちでこう答えた


「師匠、この子は自分を女神と思い込んでいるイタい子です、そっとしておいてあげましょう、」

「そういう事ですか、可哀想に・・・・」


「ちょっと!聞こえてるんだからね!?私は本当に女神よ!!!」

「そあなたは女神なんですか、それは凄い(棒)」

「わー 女神様だぁー(棒)」

「アンタらねぇ・・・・」


女神と信じて貰えないルーナは低く唸るように言った


「ところでトシナリ、あなた盗賊の仕事がしたいと言っていましたね、」

「はい、」

「あなたの為に用意しました」

「でも魔法まだOK貰えてませんよ?」


一応完成はしているがまだ師匠に見せていない


「はい、魔法無しでもできる簡単な依頼ですから、それに魔法完成の期限は後3日ほど先ですし」

「で、どんな内容です?」

「浮気調査です。」

「は?」


俺は予想外の内容につい間抜けな声を出してしまう

そんな俺とは反対にルーナはなぜか目をキラキラと星のように輝かせると同時に『連れてけ』と無言の圧力をかけてくる。なんとも器用な奴だ。


「行きますよね?」


拒否権はなかった。

















































































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