魔獣vs魔女vs騎士
魔獣たちが襲いかかって来ても動揺しない。
「魔獣ごときが」
氷魔法や雷魔法など多様な魔術を使いこなしす。
運悪く、魔獣討伐に来た騎士の別働隊が来た。
「止まれ」
隊長らしき人物は、小さな声で、部下たちに言う。
彼らは木々の後ろに隠れ、パイモンと魔獣の様子を見る。
「イズ・ムフーナ」
小さな氷の塊は魔獣に一直線で向かう。
魔獣に当たると、大きな氷になり魔獣を凍死される魔術。
魔獣を一掃した。
しかし、パイモンの体には至る所に切り傷がある。
腹部の傷も再出血していた。
「我としたことがやらかしたな」
「貴様は、魔女か?」
「確かに我は魔女である。だが、それを国に言う者はいないはずだ」
それは、パイモンが勝つと言っているようなものだ。
兵士たちは剣を構え、魔女を見る。
「戦うのか?」
「魔女はここで殺す」
再び、対戦が起こる。
魔獣の屍を踏み、先程よりも激しい交戦となった。
「投降しろ!」
「魔女は未来を常に考える。投降し、暗い道を誰が通るか!?」
魔獣との戦いよりも丁寧に戦う。
数も違うし、相手は人間だ。
これ以上魔女の悪評が広がったら困る。
「なんだ?もう終いか?」
兵士たちは何人かの死傷者をだした。
隊長らしき人物は右腕から出血し、左足にはパイモンが放った氷がある。
「永遠に眠るが良い」
パイモンは全員を殺して行きと同じように帰る。
ボロボロのパイモンは飛びながら、傷を癒す。
ドクンッ!と心臓が激しく拍動する。
パイモンは冷や汗をかいた。
「はぁはぁ、これは?」
意識がだんだん薄れていく。
この様な特殊な魔術は見たことがない。
目の前にはあの兵舎がある。
それも見れなくなっていく。
後ろを振り向くと、あの傷をつけた者がいた。
嗤っている。
卑しい笑い声が夜空に響く。
「我が名は…。…に頼まれ、汝を殺す」
あまり聞き取れなかったが、魔女には違いない。
黒に近い紫のマント。
額の所には紅い魔女宗教の紋章がある。
「だ…誰…だ」
意識がそこで途絶えた。