魔獣討伐戦
「アザリア!」
パイモンは腹部から大量の血が流れていた。
パイモンは辛うじて生きていた。
「ギー…スか?」
パイモンは弱々しい声で言った。
「助けに…きて…くれて…感謝する」
ギースは兵舎にアザリアを連れて、看病してあげた。
「感謝してもしきれぬ」
パイモンはギースの方を向いて笑った。
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ギースは市で食べ物を買って行くと言って出ていった。
「我はどうして、人間の住処に身をよせている…。奴が言う"怠惰" なのか?」
パイモンは独り言を呟いた。
ドアのノックの音が聞こえた。
「構わぬぞ」
「失礼します。アザリア殿」
彼はギースの部下の一人らしい。
用件を聞くと近くで魔獣が騒いでるらしい。
「アザリア殿とギース様で討伐して頂きたいのですが?」
「怪我が治ったらいくらでもやってやろう。しかし、何故我であるのだ?汝らの方が強かろう?」
「我ら兵士、別件で忙しく。申し訳ございません」
兵士は頭を下げた。
「ならば、我一人で良い。怪我が治ったらの話だかな。ギースには我が一人で参ると伝えおいてほしい」
微笑んで、言った。
パイモンはもう彼を危ない目にあわせたくない。
「了解致しました!」
兵士は出ていった。
「魔獣か…」
魔獣はルシファーが魔女として活躍していた時に出来たもの。
ルシファーを敵対視する魔女が作ったらしい。
忌まわしい人類と魔女の外敵だ。
「…ギース。」
そう呟いた。
窓が勢いよく割れた。
ガラスの破片がパイモンの頬にかすり、血が出た。
「魔獣?」
いや、魔女の魔力に近かった。
「初めまして。我が名はラクセル。教会で魔女狩りをしている者」
ラクセルという男は後ろに十数人の部下を従えている。
「我に何用だ」
パイモンは怒りの口調で言った。
従えてる部下は魔女だとすぐ分かる。
魔女にしか魔女だと判別出来ない。
「きつい口調で。女性がこんなはしたない言葉遣いだと男は逃げていきますよ」
「我に男など必要ない」
パイモンは真顔で言った。
魔女は性欲は他の人間よりない。
研究と鍛錬しかしていないからだ。
「…やれ」
ほぼ全員がパイモンに襲いかかる。
彼らは自身の得意な魔術で攻めて来たあ
「ウイン・レイヴ」
この魔術は風をおこし、鋭い刃にして、相手を切る。
彼らはバタりと倒れた。
ラクセルは驚き、腰を抜かした。
「笑わせるな、我は第9の魔女だ。ラクセルのような若年魔女ではない」
怖い笑みを浮べ、ラクセルに近づく。
また、ラクセルも魔女であった。
パイモンは呪文を言った。
彼らには激痛が走る。
「か、体が…動か…ない」
この魔術をかけられた者は永遠に動けない。
術者の命または術者の魔力が尽きる時、この魔術は解かれる。
「うずくまっていろ」
壊れた窓を見る。
「リ・メア」
みるみると窓は新品の窓になっていく。
破片が元の位置に戻って新しくする魔術だ。
新しくなった窓を開ける。
「フラー・バイア」
パイモンは黒い羽根をだし、魔獣の居る方に行く。
まだ傷は完治していない。
時々腹部を押されながら、飛行を続ける。
「魔獣のオルトロスか」
オルトロスは二つの頭を持つ魔獣だ。
オルトロスは群れで戦う一種だ。
魔獣の中でも一番勢力がある。
「フーア・レイヴ!」
空中から魔術を放つ。
オルトロスたちは一気に数を減らす。
「かかってこい、我は魔女だ」
オルトロスはパイモンに襲いかかった。